人間とチンパンジーの違いはたったの1.2%?
0.1%の差でもまったくの別人に
アナタの隣にいる人を見てください。顔立ちはもちろん、身長や体型、声など、何もかもが違いますよね? では、遺伝子レベルで見比べてみるとどうでしょう。自分と他の誰かでそのゲノム(遺伝情報)の違いはわずか0.1%ほどしかないそうです。人間のゲノムは文字に書き起こすと約30億文字といわれていることから、その0.1%にあたる300万文字ほどで顔のつくり、目や髪の色、背の高さ、体質といった個性がデザインされているというわけです。
では、私たち人類にもっとも近い種といわれるチンパンジーはどうかというと、人間とのゲノムの違いはわずか1.2%ほどしかありません。数値的には「ほぼ誤差」のレベルに感じられますが、赤の他人と0.1%しか違わないことを考えれば、かなり大きな差があるともいえそうです。ちなみに同じ基準で他の動植物とも比較してみると、人間と犬では約6%、猫は約10%、バナナとは約40%ほどの違いがあります。もっともこれらの動植物とは進化の過程も違えば、染色体の数も異なるため、ゲノムの違いがわずかといっても、生物としてまったく別物であることに変わりはありません。そう考えると互いのDNAが100%一致する例外中の例外、一卵性双生児のきょうだいはとても神秘的でロマンチックな存在に思えてきますね。
わずか数%の違いが種を分けている
身近な動物、植物も遺伝子のシンクロ率はけっこう高い
一卵性双生児はDNAのシンクロ率100%!
DNAのシンクロ率が100%一致する人間も例外的に存在します。それが一卵性双生児です。ひとつの受精卵から分裂して生まれてくるため、基本的に遺伝子情報は100%同じとなります。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』著:安藤 寿康
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修:安藤寿康
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公開日:2024.11.22