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クラゲに刺されたらお酢をかけるといいってホント?【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】

Text:船山 信次

刺されたらお酢をかけるといいってホント?[クラゲの毒]

触手で獲物をからめとり毒を注入

クラゲは分類上、刺胞動物門に属します。刺胞というのは毒針を備えたカプセル状の器官で、触手にこの刺胞を持つ動物が刺胞動物です。そんなクラゲのなかでも特に猛毒の持ち主として知られるのがカツオノエボシ。刺されると電気ショックを受けたような痛みが走ることから、「電気クラゲ」の異名もあります。

カツオノエボシの最大の特徴は平均10m、最大で30mを超える触手です。獲物を捕まえるときはこの触手で相手をからめとり、刺胞から毒針を発射して動けなくさせます。クラゲというと水中を泳いだりゆっくり移動したりするイメージがありますが、浮き袋を持つカツオノエボシは潜水ができず、ぷかぷかと水面をただようだけ。ただし、危険を感じると浮き袋をしぼませて一時的に海中に身を沈めることもできます。

分布域は温帯・熱帯地域の温かい海。通常は沖合にいますが、風に流され、黒潮に乗って沿岸までやってくることもあります。海水浴中に遭遇することもあるので、安易に触らないよう注意しましょう。また、浜に打ち上げられた乾燥した死体であっても、湿気によって刺胞が活性化することがあるので油断できません。

もし刺された場合は、海水で触手や刺胞を洗い流すようにします。真水や酢は、刺胞を刺激して毒を発射させてしまうので避けましょう。

砂浜にもいるカツオノエボシ

【漂流生活】自分で能動的に動くことはなく、風や海流に身を任せるかたちで移動する。
【毒性】刺胞には強力な神経毒があり、人間が触れると激し痛みを伴う。心肺停止になることも!
【浮き袋】青やピンク、紫などの半透明の浮き袋があるのが特徴的。浮き袋の長さは10cmほど。
【触手】触手には刺胞と呼ばれる毒針がある。触手はクラゲのなかでも最長クラスの最大30mにもなる。

クラゲの毒性ランキング

1位:キロネックス

地球最強レベルに危険な毒を持ち、「殺人クラゲ」の異名あり。なかにはわずか3分で死亡したケースも。

2位:イルカンジクラゲ

1cm弱の小さな体に強力な毒を持ち、コブラの100倍以上の毒性との説も。

3位:カツオノエボシ

刺されると激痛が走り、アナフィラキシーショックで死に至る場合も。

4位:キタユウレイクラゲ

世界最大のクラゲで、刺されると凄まじい痛みに襲われ、死に至る場合も。

5位:ハブクラゲ

毒ヘビの「ハブ」が名前の由来。刺されると激痛やショック症状などを引き起こす。

海でクラゲに刺された場合、触手を取り除くときは素手では触らないこと。また、刺された際は淡水で洗うと毒を放出する恐れがあるので、必ず海水で洗い流すこと。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』
監修:船山 信次


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