手や腕を使わないスイング
ゴルフスイングは入れ替え動作の集合体であると言えます。その最も大きな入れ替えは身体の左右の入れ替えです。
バックスイングで腕とクラブが右に動くと頭は左に動き、ダウンスイングで腕とクラブが左に動くと頭は右に動きます。
このように頭と頭(クラブヘッド)が入れ替わるカウンター動作でボールを打てば、小さな力でも大きなクラブの運動を起こすことができます。それを体感できるのがウェッジの30ヤードショットです。
アドレスでは手首を6時の方向に入れて腕をロックさせておきます。テークバックでは手を使わず、腕とクラブをロックさせたまま8時の位置まで上げていきます。このとき、頭はクラブと反対方向の左に動かします。そして頭を右に動かしてダウ
ンスイングを始動し、腕をロックしたまま4時の位置にフォロースルーを持っていきます。
イメージとしては、クラブが身体を貫いて背中にレバーがついていると考えてください。バックスイングではレバーを左方向に入れ、ダウンスイングではレバーを右方向に入れます。
つまり背中のレバーをクラブと反対方向に入れるのです。このドリルでは頭とクラブヘッドを逆方向に動かしながらバランスをとりますが、体幹はセンターからずれず、これが「コンパクト」の定義となります。
ゴルフスイングは制御系と動力系に大別されますが、ウェッジを使った30ヤードのスイングは腕本来の役割である制御系のベースが作られます。
【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏
ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。
公開日:2020.08.30