「金星は夜に見えない!?」意外と知らない“明星”の雑学【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

地球から見ていつも太陽の側にある

「明けの明星」、「宵の明星」という言葉がありますが、その違いはご存じでしょうか。実はどちらも同じ金星のこと。日の出のころに東の空に輝く金星を「明けの明星」、日没後に西の空に輝く金星を「宵の明星」というのです。 

金星は惑星で、自らは光を発せず、太陽の光を反射して輝きます。ひときわ明るく見えるのは、太陽系の惑星のなかでも地球に近いことに加え、反射率の高い厚い硫酸の雲に覆われているためでもあります。光度(明るさ)が最大になったときは、1等星の200倍近い明るさで、これは太陽と月に次ぐものです。

金星は地球より内側の、太陽に近いところを公転する「内惑星」です。地球から見て常に太陽の側にあるため、日の沈んだ真夜中に見ることはできません。一方、昼は昼で太陽光が明るくて見えません。明け方と日没ごろにだけ姿を現すのはそのためです。

肉眼ではわかりませんが、金星は地球との距離によって大きく見えたり小さく見えたりします。また、月のように満ち欠けがあり、地球から遠ざかるほど満ちた形になり、近づくほど細い三日月のようになります。そしてもっとも近づいたときには、新月のように地球からは見えなくなります。

明けの明星・宵の明星

宵の明星

日が沈んだあとの夕方に、西の空に明るく輝くのが宵の明星。

明けの明星

日が出る前の明け方に、東の空にひときわ明るく輝くのが明けの明星。

地球から見た金星の満ち欠け

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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