出発するまで何回もチェック!安全航行に必要な“離陸データ”とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

フライトの準備(その2) 〜出発準備完了まで〜

調べたように、慣性航法装置はジャイロと加速度計の組み合わせにより、最初にいた自分の位置からどれだけ移動したか、誰の助けも借りずに知ることができる装置です。

最初にいる位置、つまり自分がいま駐機しているスポットの緯度と経度を、航法装置が加速度を感じる前に、コンピュータが知る必要があります。そして自分の位置とジャイロが、地球の自転を感知することによって、基準となる真北を求めることができます。

さて、サテライトからでも、パイロットが懐中電灯を片手に、ジャンボ機の回りを点検(航空界では「外まわり」などという)している姿がよく見られます。これは、整備士による点検に加えて、パイロットによるプリフライト・チェックと呼ばれる飛行前点検が厳重に行なわれているためです。

そしてすべての準備が整ったら、チェックリストによって最終確認を行ないます。

出発時刻が迫まると、最終乗客数や貨物の搭載量がわかってきます。その重さから飛行機全体の重さもわかりますので、コンピュータに入力します。 すると離陸に際しての、 重要な離陸データが算出されます。

離陸データとは、フラップの角度、離陸に必要な推力の大きさを正確にセットするためのエンジンの設定値、 そして離陸速度V1、VR、V2と呼ばれている3つの速度です。

V1とは、離陸を中止するか続行するか決める速度、VRは機首を引き起こす速度、そしてV2は空中に浮き上がってから安全に上昇できる最小速度のことです。

現在位置(出発ゲート)の緯度経度を入力
飛行機の重量を入力すると離陸速度が表示
PFD に離陸速度 V1、VR、V2 が自動的に表示

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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