眠れない夜に効く!不安・イライラを抑える3つの簡単ワーク【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


不安、イライラを抑えるための対症療法
今すぐ不安やイライラを抑えたいというときに効く、おすすめのワークを紹介。
いずれも、困ったときに対症療法として実践するとよいでしょう。
こちらで挙げているシチュエーションにかぎらず、広く使えるワークばかりなので、「緊張したらこれをやってみよう」「リラックスしたいときに試してみよう」というふうに、その時々の状況と得たい効果に応じて行ってみてください。
困ったときにすぐ効く簡単ワーク【日常のシーン】
なんとなく寝つけない夜
ベッドに入っているのに考えごとや心配ごとが止まらない、その日の自分の言動や人とのやりとりを振り返ってモヤモヤしてしまうことはありませんか?
あれこれ考えごとをしているうちに不安になったり、嫌なことを思い出してイライラしたり。そこへ「早く寝なきゃ」という焦りが重なって、さらに眠れなくなってしまう。そんな負のループに陥ることもあるでしょう。
それは、交感神経の高ぶりが収まりきっていない、過覚醒の状態かもしれません。過覚醒の余波を抑えるには、「休息・消化」モードが働くよう、背側迷走神経をほどよく刺激するワークがおすすめです。背側迷走神経が通っているおなかや腎臓のあたりに触れる、おなかを温めるなどの方法も効果的です。
<Q>
最近、疲れているはずなのになかなか眠れない日が多くて……。寝なきゃと思えば思うほど、よけいなことばかり考えてしまい、目がさえる一方です。
寝つけないのでスマホでSNSや動画を見ていたら、いつの間にか2時になっていたことも。毎日寝不足で、朝起きるのがつらいです。
<A>
それは大変ですね。眠れないのは、日中の緊張や興奮が残っていて、本来働くはずの「休息・消化」モードがなかなか機能しないのかもしれません。
背側迷走神経を刺激する簡単なワークを試してみてはどうでしょう。交感神経を刺激しすぎないよう、寝るまえはスマホに触れないことも大切ですよ。
WORK1:腎臓タッチ
腎臓は背側迷走神経が通る臓器のひとつです。寝つけないときに、あおむけに寝そべった状態で、腰に手のひらを当ててみましょう。アドレナリンの分泌が穏やかになり、「消化・休息」モードが働いて、だんだん気分が落ち着いてきます。
腎臓の位置がわからなければ、「ここに触れると安心する」と感じる位置を探してみてください。しばらく触れているうちに、安心感に包まれていくはずです。

腎臓の位置は、背中側の腰あたり、あばらより少し下とおぼえるとよいでしょう。
WORK2:何回かあくび
あくびが出なければ、あくびをするふり、いわゆる生あくびを何回かしてもかまいません。あくびをするときは、ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと吐き出すため、自然と長く呼吸することになります。すると、腹側迷走神経が働き始め、リラックスして休息の背側迷走神経も働いて、だんだんと眠気が湧いてきます。
口を大きく開け、顔をくしゃくしゃにしてあくびをすると、顔の筋肉がしっかり動いて、より効果が高まります。
WORK3:ゆらゆら
圧受容器は頭と首の境目あたりの左右にもあり、血圧の変化を感じ取って、その情報を自律神経に伝えることで、血圧を一定に保つ役割をもっています。
仰向けの状態で身体をゆらゆらさせると、身体の位置がわずかに変わり、圧受容器反射を引き起こします。これは血圧を一定に保つための反射のこと。血圧が上がるとこの反射が心拍数を減らし、血管を広げて血圧を下げ、眠りやすくしてくれます。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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