SNSに心を振り回されない自分をつくる3つのワーク【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


不安、イライラを抑えるための対症療法
今すぐ不安やイライラを抑えたいというときに効く、おすすめのワークを紹介。
いずれも、困ったときに対症療法として実践するとよいでしょう。
こちらで挙げているシチュエーションにかぎらず、広く使えるワークばかりなので、「緊張したらこれをやってみよう」「リラックスしたいときに試してみよう」というふうに、その時々の状況と得たい効果に応じて行ってみてください。
困ったときにすぐ効く簡単ワーク【日常のシーン】
ネットの情報やSNSのコメントに振り回されそうなとき
テレビなどで悲しい事故や事件のニュースを目にしたり、ネットやSNSで攻撃的なコメントを見たりして、つらい気持ちになることは誰しもあるものです。
日常のささいなことも刺激となって、交感神経は敏感に反応し、不安やイライラを引き起こします。耐性領域が狭い場合はとくに、こうした刺激も大きなストレスとなってしまいます。
ふだんスマホで情報を入手しているなら、デジタルデトックスも有効ですが、情報を遮断するにも限界がありますよね。そこでおすすめしたいのが、高まった交感神経の働きをコントロールしつつ、穏やかなブレーキを育てるワークです。
じつは、舌打ちも腹側迷走神経を鍛えるのに有効です。意外な方法に「楽しい!」と感じながら、ワークを実践してもらえたらうれしいです。
スキマ時間にSNSを見るのが習慣になっています。好きな芸能人や俳優のアカウントをフォローして、定期的にチェックしているのですが、悪口みたいなコメントを見かけるとイラッとしてしまいます。
こんなことでストレスをためたくないし、サラッと流すのが一番だとはわかっているんですけど。
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批判や攻撃的・不快な書きこみを目にしたときは、少し距離を置いて自律神経のメンテナンスをしましょう。腹側迷走神経を刺激するワークなどを行ってもよいですね。まっすぐに受け止めて、いちいち心をかき乱される必要はありません。あなたの内面を平和に保つことを第一に考えてくださいね。
WORK1:アルファベット呼吸
文字を書くときのように、息で「S・T・O・P」と書くイメージで、顔を動かしながら呼吸するワークです。
自然とゆっくりと呼吸する状態になり、腹側迷走神経が働き始めることに加えて、首も連動するので穏やかなブレーキが働きます。きれいにS・T・O・Pを書こうと意識しすぎなくても大丈夫。「S・T・A・R」など、自分の好きな文字で行ってもよいでしょう。

WORK2:「腹立つ〜」と声に出す
SNSで不快なコメントを見たときは、「腹立つ〜」と声に出してみましょう。イントネーションは「腹立つ↓」ではなく「腹立つ〜↑」と語尾を上げるように。語尾を下げるよりものどの筋肉を使うため、腹側迷走神経を刺激し、穏やかな気分と同時に、活力を感じられやすくなります。
不快な感情を消すのではなく、それに耐えられるようになり、自己発見につなげることを目標にするとよいでしょう。
WORK3:舌打ちをする
舌打ちを人前でするのは行儀が悪いですが、ひとりでいるときなら遠慮する必要はありません。「チッ」と音を出すときに舌を動かすことで、社会交流システムを刺激できるとともに、怒りや不快感を表に出すことでスッキリします。
落ち着いたと感じられるまで、何回か繰り返してもよいでしょう。このように、イライラやモヤモヤを抑えこまず、吐き出すことは、自律神経のケアと心の安定につながります。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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