お風呂も面倒になったら危険信号!? エネルギー枯渇から脱出する4つの習慣とは【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


毎日のルーティンにしたい「安心習慣」
会社や学校に通う平日と自由に使える休日、それぞれの1日の流れに沿って、シチュエーションごとにおすすめのワークを紹介。
毎日のルーティンに、まずはどれかひとつ、気になるワークを取り入れてみてください。
コツコツ続けているうちに、「今日はいつもより落ち着いているな」「今日はイライラすることが少ないな」と感じられるようになるはずです。
誰でも簡単にできるワークを「安心習慣」にすることで、不安やイライラを軽減し、「不安になっても大丈夫」なあなたを手に入れましょう。
安心習慣をつくる簡単ワーク【平日・休日それぞれの1日】
疲れがたまってつらいとき
仕事や家事などに追われて、どうにもしんどいというときがありますよね。その疲れは身体だけではなく、ストレスによる神経の調整不全かもしれません。
ずっと気持ちが張りつめていると、交感神経が過度に働き、過覚醒から背側迷走神経の低覚醒のゾーンに移行しやすくなります。それでも自分に鞭打って無理をしているうちに、エネルギーが底をついてしまうかもしれません。
「ああ、疲れたな」と感じたら、走るのをやめて、いったん休んでもよいのです。できれば明日できることは明日に回して、しっかりと休む時間をとりましょう。
すぐにできる対処法として、スマホやパソコンなどから離れるデジタルデトックスも有効です。ブルーライトやSNSの不快な書きこみなどは、交感神経を刺激して不安やイライラを増幅させるため、疲労を加速させる原因になることも多いからです。
職場で配置換えがあって、覚えることは多いし、慣れない人間関係にも気をつかうし、毎日くたくたです。休む時間もほとんどなく、家に帰ってスマホゲームで遊ぶのが唯一の癒し。どうにか自分を奮い立たせていますが、「疲れた」が口ぐせになっている状態で、お風呂に入ることすらおっくうになってしまいます。
<A>
だいぶお疲れのようですね。本当はしっかり休むのがいちばんなのですが、それが難しければ、目のまわりを温めたり、脳幹のある首の後ろの真ん中あたりに触れてみてください。迷走神経のリラックスモードが働き始めて、心身がゆるんでいきますよ。ときにはスマホを遠ざけて、交感神経を休めることも大切です。
WORK1:ひたすら休む
予定を詰めこむことに慣れてしまうと、いつしかエネルギー不足の状態になり、何かのきっかけで枯渇してしまうかもしれません。心身ともに健やかでいるためには、しっかりと休むことも大切。
急ぎの用事でなければ明日に回して、エネルギーの回復と休息に使ってよいのです。最初は落ち着かないかもしれませんが、やがて休むことに慣れ、ゆとりをもつ心地よさが感じられるはずです。
WORK2:目を温める
日々スマホやパソコンの液晶を見つめる生活を送っていると、知らないうちに目のまわりの筋肉がこわばり、腹側迷走神経の働きも悪くなってしまいます。くわえて、目のまわりの血流が悪くなり、疲れ目にもなることも。
ときどきは目を休めて、蒸しタオルや温感タイプのアイマスクで温度刺激を与えましょう。血流もよくなって目がすっきりします。
WORK3:デジタルデトックス
何も考えず、ついスマホに手を伸ばしていませんか?ブルーライトは交感神経を過剰に刺激し、不眠やイライラを引き起こすこともあります。また、食べながらスマホを見ると、交感神経の活性化を抑えようとして背側迷走神経の消化モードが過度に働き、食べすぎの原因になることも。
ときにはデジタルデトックスで自律神経を休め、とくに寝る前の1時間はスマホを見ないことを習慣にしましょう。歩きスマホも控えましょう。
WORK4:脳幹タッチ
首の後ろ側と頭の境目あたりには、呼吸や血流の調節を行う「脳幹」と呼ばれる部位があります。2つの迷走神経も脳幹から出ているため、ここに触れたり軽くもんだりすると、気分が穏やかになっていきます。
疲れを感じたときは、何分か脳幹あたりに手を当てるか、枕やクッションなどで支えましょう。寝る前に脳幹タッチを行うと、過覚醒の状態が収まり、リラックスして眠りにつくことができます。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
この記事のCategory
オススメ記事

無理に人と話す必要なし! 大人になってからも自律神経は育てることができる【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

苦手な相手にイラッとしたら…AIに愚痴ってスッキリ【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

起きてもすっきりしない朝に。明日からできる「安心習慣」3つのワーク【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

「不安ぐせ」は悪いばかりじゃない!やさしさと強さに気づけるの4つの長所 【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

漠然とした不安に悩む人にこそ知ってほしい「ポリヴェーガル理論」とは?【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

オフの時間を充実させる「ポリヴェーガル休息術」【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

あなたの“今の気分”はどの神経が作ってる? 自律神経と心の関係とは【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】
