宝石の価値を上げる「じょうぶさ」は硬さだけではない?【宝石・ジュエリー図鑑】

長く楽しむために 宝石の「じょうぶさ」ってなに?
手に入れた宝石を長く楽しみ、次の時代に受けつぐためにも、じょうぶで長もちするもののほうが、価値が高くなります。宝石の「きずつきにくさ」を表す「硬度」が有名ですが、これ以外にも「われにくい」「変化しにくい」ことも重要です。
「きずつかない・われない・変化しない」が最強
宝石のじょうぶさは、大きく3つに分けて考えられます。
ダイヤモンドは、もっともかたい鉱物といわれるほどきずがつきにくい宝石ですが、欠けたり、われたりすることがあります。
ダイヤモンドよりわれにくい(靱性が高い)といわれる宝石は、ジェダイト(翡翠)やルビー、サファイアなどです。
また、パール(真珠)やコーラル(珊瑚)、オパールなどは、温度や湿度、熱や光などによってダメージを受け、色などが変化することがあります。
じょうぶさの3つの基準
① きずつきにくい(硬度)
ひっかいたときのきずつきにくさ。
② われにくい(靱性)
落としたりぶつかったときにわれたり、欠けたりしないか。
③ 変化しにくい(安定性)
温度や湿度、熱や光などによってダメージを受けて色などが変化しないか。
これらのじょうぶさの基準は、宝石の価値を左右したり、どのような形でジュエリーにするかを考える材料になったりします。
モース硬度
ドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースは、10種類の鉱物を基準にしてきずつきやすさを表しました。ダイヤモンド(硬度10)は、ルビーやサファイア(硬度9)の何倍もきずつきにくいことがわかっています。
硬度

↑ やわらかい
① タルク(滑石)
② ジプサム(石こう)
③ カルサイト(方解石)
④ フローライト(蛍石)
⑤ アパタイト(燐灰石)
⑥ オーソクレース(正長石)
⑦ クオーツ(石英)
⑧ トパーズ(黄玉)
⑨ コランダム(鋼玉)
⑩ ダイヤモンド(金剛石)
↓ かたい
【出典】『宝石・ジュエリー図鑑』監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩
【書誌情報】
『宝石・ジュエリー図鑑』
監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩
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