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なぜ新大久保はコリアンタウンになったの?【地政学の話】

歌舞伎町へ通うのに便利だった新大久保

コリアンタウンとして名高い新大久保駅周辺は、韓国人以外にも中国人、ネパール人、インド人などさまざまな国の人たちが暮らしています。

狭い路地が入り組んでいるため再開発が進まなかったことで、古くて安いアパートが多く、1980年代から多くのアジア系の人たちが住んでいました。

バブル時代、日本と韓国の間ではまだ経済格差がありました。当時、景気の良い日本でのおもな働き先はいわゆる水商売。韓国人たちが働くクラブなどが多くあった歌舞伎町に近いというのも新大久保に韓国人が多く住む大きな理由の1つになりました。

しかし、2000年になると入国管理局からの摘発があり、韓国人の働く店が次々と歌舞伎町から撤退。その隣の新大久保に流れたといわれています。

韓流ブームをきっかけに訪問客が増大

2002年日韓サッカーW杯、そして2003年に放送されたドラマ『冬のソナタ』の影響で日本に韓流ブームが訪れ、一気に新大久保に韓国関連の店が増えます。

K-POPを聴く日本の若者も訪れるようになり治安も良くなった新大久保には、韓国以外のコミュニティもできるようになりました。

現在はネパール、インド、ベトナムからの外国人労働者の居住先としても、住みやすい新大久保が選ばれているのです。

一方、韓流ブームによって増えた韓国系の店は日韓の緊張状態が浮き彫りになると鳴りを潜め、中には閉店してしまうところもあります。日韓の関係はいまだに新大久保界隈の生活にも影響を与えているようです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
著:荒巻 豊志

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「地政学」について分かりやすく解説した一冊。「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!

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