【わかりやすい文章を作る】あいまいな「日本語の主語」を使いこなす文章の整理法とは【デキる大人の文章力教室】

主語と述語を整える -【「は」や「が」が付いても主語にならないことがある】

<文章カアップのポイント>
・「Aは」を「Aの」や「Aを」などに置き換えることができる場合は、Aが主語とは限らない。

日本語の主語はあいまい

 これまで、「は」や「が」の数に注目してきましたが、その理由は、主語が「は」や「が」を伴うことが多いからです。ところが、「これがあれは必ず主語」という条件は残念ながらありません。

 そもそも日本語の主語は、英語などのように明確ではありません。「日本語において主語とは何か」という問題は、言語学者の間でも決着がつかず、たとえば「ゾウは鼻が長い」という文の場合、「ゾウ」が主語なのか「鼻」が主語なのか、あるいは両方なのか、簡単には断言できないのです。

 そこで、ここでは大まかな目安として、次のようなルールを設定しておきます。

 「ゾウは鼻が長い」は「ゾウの鼻は長い」と置き換えることができます。こうすれば「は」の数と述語「長い」の数は一致します。

 OK1では、「は」が1つ、「が」が1つ、それに対応する述語は1つで、計算が合いません。また、OK2でも、「は」が3つ、それに対する述語は2つで、計算が合いません。しかし、それぞれ「を」や「の」などに置き換えることができるため、間違いではないといえます。

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介


「正しい日本語」とは

 そもそも「正しい日本語」とはなんでしょうか? 日本語は常に変化しています。たとえば、平安時代には「竹取の翁といふものありけり」(『竹取物語』)のような文章が一般に通用していましたが、徐々に今のような日本語に変化してきました。

 そう考えると、現代の若者が使っている「マジキモい」や「激おこプンプン丸」なども、数十年後には正式な場で通用する日本語になるのかもしれません。このような常に変化している日本語に対し、「これが正しい」という厳密な規範(ルール)を設定することは難しいでしょう。現時点で「間違った日本語」と呼ばれている表現は、実は単に「世間ではまだ十分に認められていない表現」というだけなのです。ですから、「学術的に正しい日本語」というものは存在しないことになります。

 しかし実生活では、避けなければ支障が出る表現もあります。当書が扱うのは、実生活で使うべき「正しい日本語」です。

当書における「正しい日本語」とは

 本書では、学術的な意味ではなく、実用的な意味で「正しい日本語」という言葉を使います。それは、現時点における日本社会で「相手にきちんと通じる日本語」のことです。

 相手(読み手)に言葉で正確に伝えるためには、発信する側(書き手)と受信する側(読み手)が言葉のルールを共有していなければなりません。「語法」や「文法」と呼ばれるものは、そのルールの典型です。たとえば、外国語を理解できないのは、発信側と受信側が言葉のルールを共有できていないからですが、日本語を母語とする人同士でも、ルールが完全に共有されていなければ、外国語ほどではないにせよ、誤解が生まれます。

 本書の目的は、現在の日本語のルールをより深く構造的に理解し、誤解のないコミュニケーションを実現することです。

文章力アップのコツは「学ぶ順序」

本書では、第1章から第4章まで文章を主に構成要素ごとに分解し、順を追って学べるようにしています。最もシンプルで理解しやすい単位である「単語」から始め、徐々に大きな単位のことを学んでいけば、実践でも自然と「正しい日本語」が使えるようになるはずです。さらに、各章を3〜4つのレッスンに分け、全体で15のレッスンで苦手な部分を集中して学べるようにしています。

こんな方にオススメです!

本書は、以下のような悩みや目標をお持ちの方に最適です。

・「正しい日本語」の基準がわからず、ビジネスや公の場での表現に自信がない方
・相手に意図が正確に伝わらず、コミュニケーションで誤解が生じることがある方
・感覚ではなく、現在の日本語の「ルール」を構造的に深く理解したい方
・文章力を基礎の基礎(単語)から段階的に学び、着実にスキルアップしたい方
・実践ですぐに役立つ「実用的な日本語の知識」を身につけたい方

本書は、単語・語法・文法といった文章の構成要素を、理解しやすい順序で体系的に解説しています。「誤解のないコミュニケーション」を実現したいすべての方の文章力アップをサポートします!

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介

【書誌情報】
『デキる大人の文章力教室』
著:小林洋介


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