主語を省略してわかり易い文章にする書き方のキホンとは【デキる大人の文章力教室】

主語と述語を整える -【「する」と「される」を区別する】

<文章カアップのポイント>
・「自然にそう思える」という意味の「〇〇される」を使うときは一般的に主語を省略する。
・「私は〇〇される」は受け身であり、意味が異なる。

「私は〇〇思われる」では受け身の意味になってしまう

 NGを図式化すると、次のようになります。

 この文は「私は〇〇思われる」という1つの主語と述語の関係の中に、「宇宙人は存在する」というもう1つの主語と述語の関係が入っている形です。内側の「宇宙人は存在する」は文法的に正しいのですが、外側の「私は〇〇思われる」は書き手の意図と異なり、「私」(書き手)が誰かから思われているという受け身の意味になってしまっています。この場合は、受け身(他人からそう思われる)ではなく、(自然にそう思える)の意味で「思われる」を使っているはずです。

 自発の意味で「思われる」「感じられる」「考えられる」などを使う場合は、OK1のように「思う」の主体を省略するか、OK2のように「〇〇には」の形にするべきです。ただし、OK1のように表現すると、「私だけではなく誰でもそう思う」というニュアンスが含まれるので、誰もがそうは思うとは限らない内容については使わないようにしましょう。

 また、「私は宇宙人は存在すると思う」のように、主語を「私」にし、それに対応して述語を「思う」にすれば、内側は書き手の考えであり誰もがそう思うわけではないことが明確になります。

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介


「正しい日本語」とは

 そもそも「正しい日本語」とはなんでしょうか? 日本語は常に変化しています。たとえば、平安時代には「竹取の翁といふものありけり」(『竹取物語』)のような文章が一般に通用していましたが、徐々に今のような日本語に変化してきました。

 そう考えると、現代の若者が使っている「マジキモい」や「激おこプンプン丸」なども、数十年後には正式な場で通用する日本語になるのかもしれません。このような常に変化している日本語に対し、「これが正しい」という厳密な規範(ルール)を設定することは難しいでしょう。現時点で「間違った日本語」と呼ばれている表現は、実は単に「世間ではまだ十分に認められていない表現」というだけなのです。ですから、「学術的に正しい日本語」というものは存在しないことになります。

 しかし実生活では、避けなければ支障が出る表現もあります。当書が扱うのは、実生活で使うべき「正しい日本語」です。

当書における「正しい日本語」とは

 本書では、学術的な意味ではなく、実用的な意味で「正しい日本語」という言葉を使います。それは、現時点における日本社会で「相手にきちんと通じる日本語」のことです。

 相手(読み手)に言葉で正確に伝えるためには、発信する側(書き手)と受信する側(読み手)が言葉のルールを共有していなければなりません。「語法」や「文法」と呼ばれるものは、そのルールの典型です。たとえば、外国語を理解できないのは、発信側と受信側が言葉のルールを共有できていないからですが、日本語を母語とする人同士でも、ルールが完全に共有されていなければ、外国語ほどではないにせよ、誤解が生まれます。

 本書の目的は、現在の日本語のルールをより深く構造的に理解し、誤解のないコミュニケーションを実現することです。

文章力アップのコツは「学ぶ順序」

本書では、第1章から第4章まで文章を主に構成要素ごとに分解し、順を追って学べるようにしています。最もシンプルで理解しやすい単位である「単語」から始め、徐々に大きな単位のことを学んでいけば、実践でも自然と「正しい日本語」が使えるようになるはずです。さらに、各章を3〜4つのレッスンに分け、全体で15のレッスンで苦手な部分を集中して学べるようにしています。

こんな方にオススメです!

本書は、以下のような悩みや目標をお持ちの方に最適です。

・「正しい日本語」の基準がわからず、ビジネスや公の場での表現に自信がない方
・相手に意図が正確に伝わらず、コミュニケーションで誤解が生じることがある方
・感覚ではなく、現在の日本語の「ルール」を構造的に深く理解したい方
・文章力を基礎の基礎(単語)から段階的に学び、着実にスキルアップしたい方
・実践ですぐに役立つ「実用的な日本語の知識」を身につけたい方

本書は、単語・語法・文法といった文章の構成要素を、理解しやすい順序で体系的に解説しています。「誤解のないコミュニケーション」を実現したいすべての方の文章力アップをサポートします!

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介

【書誌情報】
『デキる大人の文章力教室』
著:小林洋介


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