ご先祖様は”おがらの煙”目指してやってくる! 先祖の霊をもてなす日本の文化とは【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

お盆とお彼岸は、ご先祖様とつながる行事

“迎え、供える” ―― 死者とつながる

 日本には、年に3回、死者を身近に感じる季節があります。それがお盆と春と秋のお彼岸です。いずれも仏教に由来しながら、日本独自の風習と結びついて発展してきました。死者を弔うだけでなく、生者と死者が再びつながる時間として受け継がれています。

 お盆は、祖霊を家に迎え入れる行事です。仏教の盂蘭盆会に由来し、7月または8月に行われます。この時期になると、家々では「迎え火」を焚いて先祖の魂を迎え、「送り火」で再びあの世へ送り返しました。精霊棚に供物を並べ、灯籠や盆踊りで祖先を供養する習慣は、仏教と日本の民俗信仰が融合して生まれたものです。現代でも、帰省や墓参りを通して家族が集まる機会として定着しています。

 一方、お彼岸は、春分と秋分の時期に行われる供養の行事です。太陽が極楽浄土のあるとされる真西に沈むこの時期は、「彼岸(悟りの世界)」と「此岸(現世)」がもっとも近づくとされ、祖先に感謝し自己を省みる期間とされました。墓参りや供物を捧げることは、故人をしのぶと同時に、自らの生き方を見つめる意味を持っています

 これら2つは、死者を忘れずに、今を生きる私たちが心の平安を保つための大切な行事といえるでしょう。

お盆の流れと込められた意味

迎え火

先祖の霊が迷わないよう、目印としておがらを燃やして火を焚く

麻の茎の皮をはいだもの

供養

精霊棚にお供えし、法要を行う。盆踊りで祖霊をなぐさめることもある

送り火

送り火を焚いて、霊をあの世へと見送る

お盆は、先祖の霊を迎え、もてなし、送り出す行事。1年に一度、新暦の7月13〜16日または月遅れの8月13〜16日に行われる。

お彼岸の考え方

お彼岸は、太陽が真西に沈む日に彼岸と此岸が近づくとされる。供養を通して、祖先をしのび、自らの生を見つめ直す期間である。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 死の話』監修:島田裕巳

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