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体のゆがみを整える「ハイハイ体操」のやり方とは!?【ゆがんだ背骨の整え方】

Text:栗原隆

背中のラインと首の方向に注意して

まず、四つんばいの基本姿勢をとります。ひざ立ちの状態から勢いよく畳や床に手をつくと、思わぬけがにつながることがあるので静かにつけるようにしましょう。手をつく位置は肩からまっすぐ下ろしたところ、幅は肩幅より少し広くします。指を少々開き気味にすると、ハイハイしやすくなります。

両ひざも肩幅より少し広く開き、まっすぐ正面を向くようにします。内側を向かないように注意しましょう。もっとも気をつけたいのが背中です。下がりすぎず、上がりすぎず、自然なカーブを保ちます。おなかが下がって背中がへこんだり、反対に背中が突っ張ったりするとハイハイがしにくく、よけいな筋肉を使って疲れやすくなります。

何よりも、ゆがんだまま体操を行うことになり、ゆがみが改善されません。首と頭の向きも大切です。頭を上げ、視線は前方斜め45度に落とします。1メートル先を見るイメージです。上を向きすぎたり、真下を向いて両手の間を見たりしないように気をつけましょう。

ハイハイ体操の姿勢

ハイハイ体操は、単純でかんたんにできるだけに、正しい姿勢で行うことが重要です。ポイントをしっかり押さえておきましょう。


体に力を入れず、背中が自然にS字カーブを描くようにします。背中を上げすぎたり、下げすりたりしないよう注意。首も同様です。手とひざの幅は肩幅より広めを意識しましょう。

手首が痛い人は、手をグーにするとハイハイしやすいでしょう。ひじを伸ばして、肩からまっすぐ下に手を下ろします。途中で手をパーからグーに変えてもよいでしょう。

ハイハイをしている時の注意点

■手足は浮かして動かす
 手足を動かすときは、床をすらないように。浮かして動かすことで筋肉がきちんと鍛えられます。
■姿勢を保つ
 途中で姿勢がくずれてくることがよくあります。気づいたらすぐに修正するようにしましょう。
■カーブでは大きく腕を動かす
 ゆがみに効果的なのが、カーブを大きく回ること。外側の肩を上げて腕を大きく動かします。腰だけで曲がらないように気をつけましょう。
■ゆっくりと動く
 ストレッチをきかせるために、ゆっくりハイハイしましょう。体が伸びていることを意識して。

ハイハイ体操がゆがみを解消するしくみ

ハイハイ体操では、体のさまざまな部位を効率よく鍛えることができ、根本から体のゆがみを解消することにつながります。

【1】四つんばいの姿勢
両腕と両足で均等に体重を支えるため、どこか一点にだけ負荷がかかることがなく、かたよりが生じない。必要な場所に均等に筋肉をつけることができる。

【2】ハイハイで進む
四つんばいから首を持ち上げると、頸椎のカーブを維持しながら首の筋肉を鍛えることができる。四つんばいの姿勢を保ちながら進むことで、腹筋と背筋がバランスよく鍛えられる。

【3】バランスをとりながら進む
手足を動かして進むと、体が揺れて適度に筋肉を動かすことができ、ゆがみを正すことにつながる。また、不安定な姿勢になることがあり、自然にバランスをとって体幹が鍛えられる。

【4】一定の方向に回る
体に左右差のある状態で一定の方向に回りながら進むと、骨格を正して筋肉が弱くなっているほうを鍛えることができ、体の左右差が解消される。

ハイハイで鍛えられる体の部位

ハイハイは全身を使った動きであるため、体全体の機能を高めることができる。


【書誌情報】
『ゆがんだ「背骨」の整え方』
著者:栗原隆 「栗原隆ウェルネスクリニック」院長
医師・医学博士。日本医師会認定産業医・健康スポーツ医

体のゆがみの多くは、姿勢や行動のクセによって起こります。肩こりや腰痛だけでなく、不定愁訴や内臓疾患の原因になっているかも。そんな体のゆがみを治す、簡単な体操を紹介する本です。メインはハイハイ体操。一日5分、赤ちゃんみたいにハイハイするだけ。背骨まわりの筋肉のバランスが整い体のゆがみが改善します。肩こりや腰痛などの痛み、猫背やそり腰、おなかぽっこりなどの見た目、冷えや不眠、生理痛などの不定愁訴が改善。それ以外にも、正しい歩き方や組み合わせる体操などを紹介しました。自分のゆがみをチェックして、さっそく始めましょう。

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