特別なことはしなくていい。寝る前10分の「物語」が親子の心を整える『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』

新刊『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』特別インタビュー

これまでの記事では、マインドフルネスのメリットなどについてお伝えしてきました。
でも寝かしつけの時間だけは、そういったことをいったん頭の外に置き、ここにある物語だけに心を向けてみてください。「親子のふれあいは、時間よりも質」と語るのは、『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』監修を手がけた臨床発達心理士・山口創先生。最後のインタビューでは、親子にとって最高のひとときをつくる工夫などについても聞きました!(全3回連載のうち3回目)

取材・文:細井 秀美


「やるべきこと」は頭の外に、「物語」だけに心を向ける

マインドフルネスには、厳密にはプログラム化された8週間のトレーニングがあります。

ですが、わざわざトレーニングをしなくても、日常生活で「食事のときにひと口ひと口味わいながら食べる」「自分の足の動きに意識を向けてゆっくり歩く」といったことを意識することで、少しずつ心の状態は変えていけます。

この本も、寝る前の読み聞かせの時間を使い、親子でマインドフルネスを実践できるような作りになっています。
マインドフルネスについての難しい概念はいったん置いておいて、まずは物語だけに心を向けてみてください。

それぞれのお話には、その作品に関連が深いマインドフルネスの要素を
『からだに意識を向ける』
『今に集中する』
『自分を客観的に見る』
『ありのままを受け入れる』
『思いやりを育む』
という5つのマークで示していますので、そういった点を意識して読むのもおすすめです。

大事なのは、寝かしつけの5分、10分だけは「お子さんとしっかりと、穏やかに向き合う時間にする」こと。
たとえ、子どもが寝た後にやるべきことが残っていたり、自分の時間を過ごそうと考えたりしていたとしても、いったんそれらは頭の外に追いやってくださいね。

マインドフルネスで自律神経も整う。親子間で伝播するリラックスの効果。セロトニンを促すタッチングもおすすめ

「早く寝かせなきゃ」という気持ちでいると、交感神経が優位になって心身ともに興奮し、ストレスモードになってしまいます。
自律神経は親子で同調しますから、子どもも交感神経が勝ってしまい、余計に寝なくなります。

寝かしつけのときはまず、お父さんお母さん自身が心を穏やかにするよう意識しましょう。
子どもにもそれが移って副交感神経が優位になり、リラックスします。

さらに、本書の物語を題材に「タッチング」を取り入れるのもおすすめです。

タッチングとは、文字通り「触れ合う」こと。

病気やケガの処置をすることを「手当て」といいますが、人間は手で優しく触れられたり撫でられたりすると、痛みや不安が和らいで気持ちが落ち着くものです。

タッチングによって親から子へと自律神経が伝わりやすくなるうえ、タッチングをした側もされた側も「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやオキシトシンが分泌されます

タッチングの仕方については「こうしろ」という方法はありませんが、「ゆっくり、優しく」を意識して。愛情をもって接すると、自然にそうなりますよね。

そうすると、副交感神経が優位になります。

また、1秒に1回のペースでトントンするとことで、セロトニンが出やすいといわれています。

セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンに変換されるので、眠りスイッチが入りやすくなり、親子ともに質の高い眠りがもたらされるでしょう

余談ですが、タッチングとは好きな人と嫌いな人にされたのでは、真逆の反応があらわれるものです。嫌いな人に触られたら、こんなにイヤなことはありませんよね。
まだハッキリと解明されたわけではありませんが、「この人は安心できる」「できない」という判断は、ニューロセプションという神経レベルでなされているようです。

時間がなくとも、大丈夫。親子のふれあいは、時間より質が大事

子どもにとっていちばんの愛情・愛着の対象は、やはりお父さんお母さんです。

親御さんは毎日忙しく、日中は保育園や学校で顔を合わせないうえに、帰ってからもなかなか子どもとじっくり向き合う時間がとれず、後ろめたさや罪悪感を抱えている方も多いかもしれません。

ですが、短くてもいいのでお子さんと「ちゃんと」関わってあげる時間を取ってあげてください。

繰り返しますが、1日5分でも、10分でもいいのです。
短くても目の前のお子さんのこと「だけ」に心を向けて、接してみましょう。
大事なのは、時間より質です。それによって子どもは、親からの愛情をたっぷり感じられるはずです。

普段の親子関係はどうしても、親からの「~しなければ」「~させなければ」という思いの一方通行になりがちです。
そればかりではなく、子どもの目線に下りて、一緒に“ものを感じる”ことは、親子だからこその幸せな時間になるはず。

実は、その時間で親もセルフコンパッション(自己慈愛)が育ち、一石二鳥なのです。

そんな時間を過ごすための1つのツールとして、『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』が役に立てたらうれしいです。

『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』書籍の情報

新刊『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』発売プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000692.000041489.html

書籍は、全国の書店・オンライン書店等で購入いただけます
Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4537223510
楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/18487227

<最初の記事>
「今日も怒ってしまった」親へ。寝る前10分、マインドフルネス音読で変わる親子の時間

<一つ前の記事>
将来、自分で考えて動ける子に。“マインドフルネス×寝かしつけ”で伸びる、集中力と発想力

【書誌情報】
『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』
著:山口創(やまぐちはじめ)

『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』書影
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寝る前って意外に大変!
大興奮で謎の歌や踊りを踊っているなか寝室に誘導したり、
明日の予定にナーバスになっている心に寄り添ったり、
「早くねてほしい~」と思いながら何冊も絵本を読んだり……。

長い目でみたら、子どもの隣で体をくっつけながら寝かしつける時期は
きっとすぐ終わってしまう、貴重な時間。
とはいえ、寝かしつけが負担になり、つらいと感じることもあるでしょう。
親がピリピリしていたり、トゲトゲしていると、
子どもも安心して眠っていけないかもしれません。

本書は、「今、ここにある体験」に心を向けて、心をおだやかに整えていく、
マインドフルネスのエッセンスが溶け込んだ1冊。
寝る前に親子でこの本を開くことで、
リラックスでき、心と体が「眠る準備」に優しく導かれていきます。

毎晩の寝かしつけが、少しラクになり、
親子のつながりを感じられる温かな時間にできるのです。

【著者紹介】

山口 創(やまぐち はじめ):監修
桜美林大学リベラルアーツ学群・教授。博士(人間科学)。臨床発達心理士。
1996年早稲田大学大学院人間科学研究科修了。幸福ホルモン、オキシトシンの作用に注目し、健康や幸福になるためのメソッドについて心理学、生理学、皮膚科学など幅広い分野から研究。独自で確立した「タッチ(=触れる)学」、「ポジティブ心理学」などを通して、ウェルビーイングの増進を目指す。著書に『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『幸せになる脳はだっこで育つ』(廣済堂)、『子育てに効くマインドフルネス 親が変わり、子どもも変わる』(光文社)など多数。

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