交感神経が暴走すると心も体も壊れる!? 不安やイライラを引き起こすしくみ【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

不安やイライラを引き起こすしくみ

自律神経は体のほとんどの臓器を通り、おもな働きとして次のようなものがあります。

  • 消化の抑制と促進
  • 心拍の加速と減速
  • 気管支の拡張と収縮
  • 筋肉の緊張と弛緩

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分かれており、それぞれ異なる働きを担っています。

交感神経は興奮と覚醒を促し、車にたとえるとアクセルのような役割を果たします。交感神経がほどよく働いているときはドキドキ、ワクワクといった楽しい気持ちになりますが、働きすぎるとイライラしたり怒鳴ったり、必要以上に心配したりと、パニック状態を引き起こすこともあります。

副交感神経は興奮や覚醒を抑えたり、リラックスしたりする、ブレーキのような役割をもっています。副交感神経のブレーキが穏やかに働いているときは、ゆったりとした心地よさを感じられます。しかし、働きすぎると凍りついたり動けなくなったり引きこもってしまったりと、低エネルギーの状態に陥ってしまいます。

たとえば、会議の場で発表しなければならないなどの緊張する場面。肩や首がガチガチになったり、心臓がドキドキしたり、息苦しいような気がしたり、落ち着かなくなったりした経験はないでしょうか。そして発表が無事に終わったら、ほっとしてリラックスできたり、呼吸や心臓のドキドキも落ち着いて、おなかが空いてきた経験もあるのではないでしょうか。

このように日々、私たちは「緊張したらゆるむ、ゆるんだら活力を取り戻す」ということを繰り返しています。

交感神経

興奮や覚醒を促す車にたとえるなら「アクセル」の役割

  • 心拍数・呼吸数・血圧を上げる
  • すばやい動きができるよう、血液を消化管から筋肉に移す
  • ケガに備えて血管を収縮させ、皮膚の表面から血液を引かせる など

副交感神経

興奮や覚醒を抑える車にたとえるなら「ブレーキ」の役割

  • 筋緊張のゆるみを促す/心拍数・呼吸数・血圧を下げる
  • 消化を促す
  • 血液を末梢血管に送ったり、免疫系統の機能を回復させる など

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【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子


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3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!

「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。

ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。

本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。

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