土星の衛星が爆増!? 最新観測で277個に達した理由とは【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

新発見で首位の座を奪い返した

木星は衛星が多い惑星です。では、太陽系で衛星が一番多い惑星が木星かというと、実は違うのです。

2023年5月に、カナダのブリティッシュコロンビア大学などの天文学者のチームが、土星の新しい衛星を発見。なんと、その数は62個。連続して撮影した画像をズラして重ね合わせるという新しい手法で、観測が難しかった小さな衛星を発見することができたといいます。

もともと土星には83個の衛星があり、太陽系で一番多くの衛星を持つ惑星としての地位を誇っていましたが、2023年初めまでに木星の衛星が新たに12個発見されたことで、木星にその地位を譲ったばかりでした。

しかし、この発見で土星の衛星の数は145個となり、早々に土星が1位に返り咲いたのです。国立天文台によると2025年現在の土星の衛星の数は277個(報告されている衛星のうち、3つは同じもの、または衛星ではなく粒子塊である可能性があります。その場合、土星の衛星の総数は274個です)。

土星の最大の衛星であるタイタンは、初期の地球に似ていると考えられています。炭素を含む有機化学物質が豊富で、生命体が存在する可能性も指摘されていますので、今後の研究に注目しましょう。

連続して撮影することで新衛星を発見

カナダの大学のチームは、長時間かけて連続撮影した画像を少しずつずらしながら重ね合わせる手法で、新しい土星の衛星を発見した。

土星最大の衛星タイタンには生命が!?

土星の衛星タイタンは、太陽系の衛星で唯一濃密な大気を持ち、地上の一部にも地下にも液体の海が存在する。これらの環境は、生命体の存在に適した条件となっている可能性がある。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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