富士山は「風」も日本一だった!家をなぎ倒す秒速91mの暴風が吹き荒れる過酷な環境とは【眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話】

富士山は高さのほかに〇〇も日本一

美しい景色を織りなす風

 富士山は標高以外にも日本一を誇る特徴があります。それは風の強さ。過去最高風速は1966年の台風接近時の秒速91mで、これは国内最高記録でもあります。

 秒速30mの風で一般家屋の屋根が飛ばされ始め、50mで木造建築の家が倒壊するといわれています。60mになると電柱や街灯が倒壊し、自動車も吹き飛ばされます。秒速91mがいかに強い風かということがわかるでしょう。

 そこまで強い風はごく稀ではありますが、富士山頂の年間の平均風速は秒速12mです。風速10mを超えると風に向かって歩きにくくなるぐらいの強さを感じるため、年間を通して非常に強い環境であることがわかります。

 富士山は、開山期間(7月上旬〜9月上旬頃)のみ登ることができますが、その間は風が弱まります。夏以外の季節では標高1500mより上空は西風が吹きやすくなります。それよりも低いところでは風がないため水蒸気が溜まり、塵やホコリが混じるので、重たく濁った空気がとどまります。早朝、山の上で見られる絶景として知られる「雲海」は、風のない下部に霧が溜まることで発生する現象なのです。

 また、上空は絶えず吹く風によって空気が動くため、空気がとても澄んでいて空の青さが濃く、夜には美しい星空が見られます。

富士山の年間平均風速は秒速12m!

20m/s 〜:何かにつかまっていないと立っていられない
15m/s 〜:転倒する人も出る
10m/s 〜:風に向かって歩きにくくなる

富士山頂の年間平均風速は秒速12m。5〜10月にかけては年間平均風速を下回り、8月が最も風が弱く、11〜3月までの冬季期間は風がかなり強くなります。

富士山の上下で空気が変わる

標高1500〜2000mを境に空気の流れが変わります。上空は西風により絶えず空気が流れるため空気が澄んでおり、下部は風が流れないため空気が滞留しやすく、塵や埃によって空気が濁り、溜まった水蒸気によって雲ができやすくなります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話』監修:富士学会

【監修者情報】
富士学会
富士山と、その関連地域を対象として、自然科学から芸術、歴史、宗教の人文科学までを広く網羅し、富士山にちなんだ教育や、噴火を想定した防災など、総合的な領域の研究を進めている。富士山の本質と全体像の探求、関連地域の環境保全、防災、活性化などを目的として、学術大会・討論会・講習会などの開催、会誌・図書などの出版、関連教育・文化活動への協力と支援などをおこなっている。事務局は東京の日本大学文理学部地理学教室に置かれている。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話』
監修:富士学会


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