飛行機のエンジンは離陸時にどのくらいの力を出しているのか【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

離陸のときにどのくらいの力を出しているのか
空港での観察結果 その1
ターボファン・エンジンの仕組みが少しわかったところで、実際にどのくらいの力を出しているのか調べてみましょう。そのためにはまず空港で離陸する飛行機を観察して、推力の大きさを概算してみます離陸重量が370トンのジャンボ機が、滑走路で3300メートルの距離を使って離陸したとします。ストップウオッチで測った滑走開始から浮揚するまでに要した時間は、50秒。これらの観察結果から計算してみましょう。
注意しなければならないのは、力の単位は㎏やトンのように重さと同じなので、
重さ=質量×重力加速度
という関係から、
質量=重さ÷重力加速度
となるので、質量を求める場合には、重力加速度で割る必要があります。
左図のように、離陸推力の計算結果は約100トンになりますが、ジャンボ機は4つのエンジンを装着していますので、1つのエンジンで約25トンになります。つまり100トンの前に進む力で、重さ370トンを持ち上げていることになります。以前調べた巡航中の揚抗比は、空気だけの抗力との比較で18程度でしたが、さすがに離陸時はもっと小さくて3.7ぐらいになります。
その理由は、まず、第一にゼロからの出発であること。
そして抗力がもっとも小さい巡航形態(航空界用語でクリーンな状態といいます) の巡航中と違って、脚を下げていたり、フラップを出している離陸形態であること。また、地面との摩擦力などの抗力も大きいなど、考えられます。
離陸のときにどのくらいの力を出しているのか

370トンのジャンボ機が3300mを50秒間で離陸
= 37.8 (t・s²/m)
(距 離) = 1/2 × (加速度) × (時間)² から
(加速度) = 2 × (距 離) ÷ (時間)² ですので、
≒ 2.64 (m/s²)
となります。そして、(力) = (質量) × (加速度) ですので
≒ 100 (t)
となります。この 100 t の力で重さ 370 トンを持ち上げているのです。
ちなみに、揚抗比は
(揚抗比) = (揚力) / (抗力)、(推力) = (抗力) から
(揚抗比) = 370 ÷ 100 = 3.7
となります。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治
「飛行機はなぜ、どうやって空を飛べるのか」という基本から、最新の知識、身近な航空雑学まで、飛行機の魅力をたっぷり図解でわかりやすく教える一冊。
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