「空を飛ぶ高さ」はどう測る? 意外と知らない高度計の仕組み【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

飛んでいる高さがわかる装置

気圧高度計について

飛行機の高度計は、気圧を基準にして測定しています。その仕組みを調べてみましょう。

気圧は空気の重さなので、地面に近いほうが必ず気圧が大きい、高度を測るには都合のよい性質があります。例えば1000mと5000mの気圧差は、その間にある空気の重さと釣り合っていることになります。

地上では水銀柱(水銀を使った圧力計)の高さは760㎜。1000mの高さでは、空気の重さはそのぶんだけ軽くなるので、水銀柱は674㎜と低くなります。同じように2000mでは597㎜と、高くなるにつれて水銀柱が低くなるので、そこに目盛りをつければ立派な高度計になります。つまり一般にある気圧計に高度の目盛りをつければ、そのまま高度計に利用することができます。

もちろん飛行機の高度計は水銀を利用したものではありません。その代表的な例が、アネロイドと呼ばれるもので、内部は真空のカプセルの一部を気圧変化に敏感に反応させ、変形するように加工し、その膨らみ具合(6000mで2㎜程度)から高度を算出しています。計器そのものに入るくらい小型軽量なので、飛行機にはもってこいの性質です。アネロイドのことを日本語では空盒(くうごう)といい、空盒を使用した速度計、高度計などを空盒計器と呼んでいます。

しかし現在では空盒ではなく電気的に気圧を測定するエアデータ・モジュールと呼ばれる装置で測定しています。その結果、全圧や静圧をそのまま送る配管が電気的な配線に変わり、軽量化が実現しただけではなく、精度も格段に向上しました。

どうやって自分の飛んでいる高さがわかるのか

水銀柱に目盛りをつけると高度計になる

高度計と速度計の違い

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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