白猫の遺伝子は最強!? 猫の毛柄でみる親子猫からの遺伝【猫柄図鑑】

猫と学ぶ遺伝子の基本「母猫と父猫の対立遺伝子をひとつずつ受け継ぐ」

黒キジと黒を両親に持つ場合

 A遺伝子は黒キジの毛を、a遺伝子は黒い毛を生やす遺伝子で、a遺伝子よりA遺伝子のほうが毛柄に表れやすいという特徴があります。

 そのため、上のイラストのように母猫からA遺伝子、父猫からa遺伝子をひとつずつ受け継いだ場合、生まれた子の遺伝子型はAa型となり、毛色は必ず黒キジになります。

知っておきたい遺伝の基本法則

優性(顕性)遺伝子と劣性(潜性)遺伝子

 遺伝子における優性・劣性とは、優れている・劣っているという意味ではなく、「その特徴が表に出やすいか出にくいか」を指します。

 同じ遺伝子座にある対立遺伝子には優劣関係があり、前のページで触れたA遺伝子とa遺伝子の場合、A遺伝子が優性遺伝子、a遺伝子が劣性遺伝子となり、A遺伝子はa遺伝子に対して優位(表に出やすい)ということになります。

他の遺伝子座に影響を及ぼす遺伝子も!

 遺伝子の間で優劣関係があるのは、同じ遺伝子座の対立遺伝子に限った話ではありません。猫の毛色を決める遺伝子のひとつ「W遺伝子」は、他の遺伝子座がどんな毛色の遺伝子を持っていようとも、「全身を真っ白にする」遺伝子です。その強力さは、毛色とは関係のない瞳の色や聴覚にまで影響するほどです。

 このように、ある強力な遺伝子がほかの遺伝子座にも影響を及ぼすことを「エピスタシス効果」と呼びます。猫の毛色の遺伝子間の力関係は、同じ遺伝子座の対立遺伝子の間の優劣関係と、遺伝子座の間の上位・下位の関係(エピスタシス効果)によって決まります。

遺伝子間の力関係

 W遺伝子、O遺伝子、A遺伝子、a遺伝子の力関係を見てみると、W≫≫ O ≫≫ A > a といった関係になります(「≫≫」は遺伝子座間のエピスタシス効果、「>」は同じ遺伝子座の中での優性・劣性の関係)。

 O遺伝子(茶キジ)はA遺伝子(黒キジ)やa遺伝子(黒)よりも、エピスタシス効果により上位の遺伝子なので、茶キジの毛が生えた猫に、同時に黒キジの毛や、黒の毛が生えてくることは遺伝学上ありえないのです(三毛猫はその例外です)。

メスの性染色体はXX、オスはXY

 染色体のうち、生き物の性別を決めるものを性染色体と呼びます。猫や人間を含む多くのほ乳類は、基本的にメスはX と呼ばれる染色体を2本(XX)、オスはX 染色体とYと呼ばれる染色体を1本ずつ持っています(XY)。

 これらのX・Y の性染色体の組み合わせによって、生まれた子どもの性別が決定されるのです。

【出典】『猫柄図鑑』監修:山根明弘

【書誌情報】
『猫柄図鑑』
監修:山根明弘


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