認知機能改善30秒スクワットでどうして認知機能が戻るのか?
感覚神経の働きをよくすることが、認知機能の改善につながることがわかりました。そのしくみとは一体どのようなものなのか。私の推察は以下のとおりです。
感覚神経がつながり、筋肉からスムーズに刺激が伝わるようになった脳の中では、
●記憶や思考にかかわる大脳皮質の働きを活発にする「覚醒作用(かくせいさよう)」
●生き残っている脳細胞が死んだ細胞の代わりをする「代償作用(だいしょうさよう)」
が引き起こされます。これまで受け取れなかった刺激に脳が反応し、もともと備えているさまざまな脳の働きが盛んになるわけです。衰えた認知機能が回復に向かうのもそのひとつ、と考えられます。
一度つながった感覚神経は、加齢や運動不足でやや衰えることはあっても、死滅することはありません。その後は日常生活で生じる筋刺激だけでも、脳の活性化がはかられるようになります。また、認知機能回復のほかにも「記憶能力が上がる」、「潜在能力が呼び覚まされる」など、脳のリフレッシュ効果による副産物も期待できます。
筋トレの刺激が脳を若返らせる!
脳に筋刺激が繰り返し届くことで
記憶能力や思考に深くかかわる大脳皮質へ伝わって「覚醒作用」が起きる
生き残った脳の神経細胞が死滅した細胞に代わって働く「代償作用」が起きる
脳全体が元気になることで
認知機能・記憶能力・潜在能力など眠っていた脳のさまざまな機能が目覚める。脳のアンチエイジング!
筋肉で生じた筋刺激は、感覚神経を通って脳へ伝わる
筋肉から発生する刺激は感覚神経と脳に直接、強く働きかける最も効果的な刺激です。感覚神経と脳を目覚めさせるには、スクワットを含めた筋トレが最強の手段なのです。
【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸
【書誌情報】
『認知機能改善30秒スクワット』
著:本山輝幸
「約束の日時を間違える」「今言ったばかりなのに覚えていない」――。
そんな認知症の初期段階や軽度認知障害(MCI)なら健常者レベルまで脳機能は戻せる!
認知症予防・改善専門の運動療法士が教える、奇跡の30秒スクワット!
「日時がわからなくなる」「食べたものが思い出せない」「今言ったばかりのことを覚えていない…」――。
認知機能の低下に気づくきっかけはさまざまですが、「なんだか最近記憶力が悪いかも…」と自分で自覚している人はもちろん、高齢の家族と接していると、「前より少しおかしい……」と違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
それはもしかしたら認知症の初期段階、もしくは“認知症グレーゾーン”と呼ばれる『軽度認知障害(MCI)』という認知症の前段階かもしれません。
軽度認知障害は何もしなければそのまま“4年以内には50%、6年以内には80%が認知症になってしまう”と言われる状態ですが、その段階、もしくは認知症になっても初期段階であれば認知機能を健常者レベルまで戻せる方法があります。
それが、認知症改善専門の運動療法士である著者が教える、『認知機能改善30秒スクワット』です。
著者の20年以上の研究により、“体の感覚神経と脳機能には相関関係がある”ということが明らかになってきました。
感覚神経とは、痛い、熱い、寒い、などを体が知覚する神経のこと。
徘徊する中度以上の認知症患者は痛みをあまり感じないため、どこまでも歩いて行ってしまいますが、そのように『感覚神経』が鈍くなってしまっている人ほど認知機能が衰えてしまっているのです。
ただし、運動と言ってもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動ではなく、『本山式感覚神経トレーニング』という筋力トレーニングです。
トレーニングと聞くとつらそうなイメージもありますが、30秒だけでもしっかり感覚神経に刺激が入り、認知機能の改善に繋がるように開発されたのがこのスクワットです。
太もも、おしり、ふくらはぎなど、重要な下半身の感覚神経を1つの運動で鍛えられ、時短なのに効果絶大な運動法により、認知機能の改善が期待できます。
日常生活に支障は出ていないものの、もの忘れや、今言ったことをすぐ忘れてしまうような症状がある人、その家族にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。
公開日:2025.01.15