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肺はどうやって酸素を取り込んでいるの?【解剖学の話】

Text:坂井建雄

たたみ約37畳分の器官が行なうガス交換

ヒトはもちろん、動物は酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出す「呼吸」をして生きています。呼吸をすることで、私たちの体のなかでは酸素と二酸化炭素を交換するガス交換が行なわれています。

口と鼻から入った空気は気管(きかん)を通り、肺のなかへ送り込まれます。気管は左右の肺のなかで枝のように分かれていき、だんだん細くなります。この気き管支(きかんし)の先には、肺胞(はいほう)といってブドウの房ふさのような微小な袋がたくさんついていて、その表面には細かい毛細血管が広がっています。

肺胞の表面積はなんと50~60平方メートル。たたみの広さにたとえると、約37畳分にあたり、ガス交換はここで行なわれています。

酸素は赤血球と結合して全身に運ばれる

取り込んだ空気に含まれている酸素は、肺胞の表面を巡る毛細血管から血液中に入ります。血液中には赤血球があって、赤血球のなかにあるヘモグロビンという物質が含まれています。ヘモグロビンは酸素と結合しやすい性質を持っています。これを利用し、酸素と結合した赤血球は、動脈を通って全身へ運ばれます。

全身を巡った血液には、体内でいらなくなった二酸化炭素が溶け込んでいて、再び心臓へ戻り、肺へと送られます。肺胞に辿り着くと肺胞のなかに、二酸化炭素が血管の壁を通り抜けて入ります。同時に、肺胞には新しい酸素が取り込まれているので、赤血球は再びそれと結合します。肺胞に入った二酸化炭素は息と一緒に口から外へ出ていきます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953 年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。

ヒトの骨は全部で何個あるの? 血管の長さって、どれくらいあるの? 女性と男性で呼吸法が違うって、ほんとう? いちばん身近でディープ! ヒトの体のナゾを徹底解明! 専門的知識ゼロでOK! 骨、筋肉、肺、心臓、腸、脳……。超素朴な疑問で楽しむ解剖学のキホン。いま、解剖学は医療職やスポーツ関係者だけでなく、健康や体に対する意識の高い人を中心に広く一般に関心が高まっています。解剖学は、人体を切り開き、ヒトの体のしくみと働きを追求する学問。そんな解剖学と解剖学から発展した生理学をベースに、いちばん身近でディープな人体の謎を、ゆるくて楽しいイラストとともにわかりやすく解説します。専門的知識ゼロでも大丈夫。素朴な疑問形式で、骨や筋肉、関節から、呼吸器、循環器、消化器、呼吸器、感覚器、生殖器まで、知っておきたい体のコトが楽しくわかります。日常生活にも役立ち、楽しさ満載の図解本。監修は、解剖学の第一人者の坂井建雄先生です。 ヒトの骨は全部で何個あるの? 血管の長さって、どれくらいあるの? 女性と男性で呼吸法が違うって、ほんとう? いちばん身近でディープ! ヒトの体のナゾを徹底解明! 専門的知識ゼロでOK! 骨、筋肉、肺、心臓、腸、脳……。超素朴な疑問で楽しむ解剖学のキホン。いま、解剖学は医療職やスポーツ関係者だけでなく、健康や体に対する意識の高い人を中心に広く一般に関心が高まっています。解剖学は、人体を切り開き、ヒトの体のしくみと働きを追求する学問。そんな解剖学と解剖学から発展した生理学をベースに、いちばん身近でディープな人体の謎を、ゆるくて楽しいイラストとともにわかりやすく解説します。専門的知識ゼロでも大丈夫。素朴な疑問形式で、骨や筋肉、関節から、呼吸器、循環器、消化器、呼吸器、感覚器、生殖器まで、知っておきたい体のコトが楽しくわかります。日常生活にも役立ち、楽しさ満載の図解本。監修は、解剖学の第一人者の坂井建雄先生です。

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