過呼吸やパニックが落ち着く『タッピング法』
●緊張状態を解くコツを覚えておこう
緊張状態がピークになると、自分で深く呼吸をしようと心がけてもうまくできないこともあります。しかも、パニック状態になると交感神経が一気に高まり、浅い呼吸を連続で繰り返し過呼吸になってしまうことも。そういった緊急事態に備えて覚えておきたいのが『タッピング法』。やり方は至って簡単で、人差し指から薬指までの3本をまとめて、落ち着くまでゆっくり一定のリズムで顔のいろんな場所をタッピングしていくだけ。人混みや狭い場所で急な不安感に襲われてパニックになりそうになったり、緊張で冷や汗をかいてしまうような場面でも、即効で心を落ち着かせることができます。
特に差し迫った状況でなくても、寝る前や仕事の後などのストレスケアとしても効果的なので、リラックスしたいときには行ってみると良いでしょう。子どものころ、お母さんにお腹などをポンポンとされて落ち着いて眠った経験がある人も多いと思いますが、あれはとても理にかなっていて、一定のリズムを体に与えることで副交感神経が優位になり、緊張状態からリラックスした状態へ移行することができます。音楽なども同ようで、ベースのリズムがゆっくり一定している曲を聴くことで自律神経を整える効果が期待できます。落ち着きたい場合には体にリズムを与えることを意識してみてください。
顔のタッピングで緊張状態を緩和
ストレッチやマッサージにくらべて知名度が低いタッピング法。実は過度なストレスがかかるプロスポーツ選手なども取り入れているリラックス法なんです。多くの神経が通う顔を一定のリズムでタップすることで全身の緊張状態が緩和されます。
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.04.17