地球は巨大なラジエター!? プレートテクトニクスが生む惑星のダイナミズム【地学の話】

プレートテクトニクスとはどんな現象か?
プレートは地球の内部を冷やすラジエター
地球の表層部には、プレートテクトニクスによってさまざまな現象が起きています。英語でプレートは板、テクトニクスは造構作用(構造をつくる作用)のことを意味するプレートテクトニクスとは何なのでしょうか?
寒い朝に池の表面に氷が張ったり、熱いミルクの表面に皮膜ができたりしますが、これらは熱境界層と呼ばれます。氷やミルク皮膜の上には冷たい大気があり、下には温かい水や熱いミルクがあります。大気や水やミルクの中では、熱は対流によって運ばれますが、氷やミルク皮膜のような熱境界層中では、熱は熱伝導で輸送されます。
固体地球の表面は、何枚かの厚さ100km以下の岩石でできた硬い板(プレート)(図1)からなります。実は、これらは池の氷やミルク皮膜のような地球表面をおおう熱境界層なのです。プレートの表面からは、プレートを通して輸送された地球内部の熱が冷たい宇宙空間へと熱放射されており、自動車のエンジンのラジエターのように地球内部を冷やしているわけです。

プレートをよくみると、3種類のプレート境界があります。まずは、冷えて重くなったプレートが地球内部へ沈み込む海溝のような沈み込みプレート境界です。次は、沈み込むプレートに引っ張られて拡大していく中央海嶺のような拡大プレート境界(図2)です。

中央海嶺では、引っ張られて割れた裂け目を埋めるように高温のマントルが上昇し、融けて大量の玄武岩質マグマが生成されます。これらのマグマは、一部は火山として噴出します。残りは引っ張られて中央海嶺から遠ざかるにつれて冷え固まり、厚くなってプレートを形成します。プレートは移動しながら熱を放出し、最後は冷えて重くなり、重力の力により海溝で地球内部へと沈んでいきます。
このように、プレートの動く原動力は、沈み込んだプレートが引っ張る引きの力なのです。この様子はテーブルクロスを少しだけ垂らしてやると、あとは自動的にずり落ちていくのと似ているため、テーブルクロスずり落ち説(図3)ともいわれています。最後の境界は、プレート同士がすれ違う横ずれプレート境界です。

こうしたプレート境界では、押されたり、引っ張られたり、ずれたりすることで歪みが溜まり、エネルギーの集中する変動帯となっています。特に、拡大プレート境界や沈み込みプレート境界では、地震が多発したり、マグマが生成されて火山ができたりします。それだけではなく、沈み込みプレート境界では、地殻が圧縮されて変形・隆起し、高い山脈ができたりもするのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』著:高橋正樹 他
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』
著:高橋正樹 他
地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。「地理」「地質」「鉱物」「海洋」「気象」等ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。
地球の誕生から、火山のメカニズム、異常気象、化石と宝石など図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。
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