人生には〝貯めどき〟と〝使いどき〟があるんです
「毎月、決まった額を積み立てていき、収入が増えれば積み立て額も増やす」これが理想ですが、現実にはこれまでどおりの額を積み立てていくことさえむずかしくなる時期があります。一般的には、子どもの大学受験に向けた塾代などの費用がかさむ高校時代から、大学を卒業するまでの期間は家計が非常に苦しくなります。
住宅ローンの返済が重なっていたりすると、なおさらです。あなたが今は独身でも、長期の積み立て投資は10年、20年先を思い描きながら行なっていくので、こうした将来の大きな出費は無視できません。 子どもがどんな進路を歩むかでスタート時期と終了時期は異なりますが、子どもの教育にお金がかかる時期が人生最大の出費期間です。この時期に家計がひっ迫するのはしかたのないことなので、この期間は積み立て額を減らすという選択も必要です。
●子どもが生まれてすぐ、大学進学資金目的で始めた場合
また、使う時期が決まっているお金は、数年前から換金を視野に準備しておく手もあります。たとえば、子どもが生まれてすぐに大学進学資金目的でつみたてNISAを始めたら、大きな資金が必要になるのは、その子が高校3年生の後半です。換金はできれば天井圏でしたいところですが、どこが天井なのかは誰にもわかりません。
とはいえ、中3で高校受験をする時期には、すでに15年程度の投資ができています。そのときに、株価などが上昇相場にあって、それが長く続いているような場合は、少しずつ換金して利益を確定しておくとよいでしょう。全部換金してしまうと、さらに上昇が続いた場合に機会損失になってしまうので、数回に分けて換金します。高校受験の時点で株式市場が低迷しているなら、お金が必要になるまで3年近くあるので、しばらく様子をみて回復を待ちます。
【出典】『ほったらかしで3000万円貯める! お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ) 日本文芸社刊
監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!』(SB クリエイティブ)、『まだ間に合う! 50 歳からのお金の基本』(エムディエヌコーポレーション)、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などがある。
書籍情報:『ほったらかしで3000万円貯める!お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ)
もうお金で困らない、お金の不安を一掃! 知識ゼロ、貯金ゼロでもOK! ムリなく確実に、ほったらかしでドンドン貯まる「iDeCo(イデコ)」と「つみたてNISA(ニーサ)」のしくみと始め方をトコトンやさしく解説しました。いま、話題の「iDeCo」「つみたてNISA」は積み立て投資の最強ツールです。月3万円の積み立てでも、35年後には2700万円に!(年利4%で運用)。ほったらかしで3000万円を貯めるノウハウを存分に教えます。さまざまなシミュレーションのほか、成功例や失敗例、うまくいく「iDeCo」と「つみたてNISA」の始め方、失敗しない商品の選び方、選ぶべき厳選10本など、成功するために知っておきたい知識とテクニックが満載です。キーワードは、長期、分散、積み立て投資。投資に手間や時間をかけない、あてにいかない、予想をしない、なるべく早く初めて、長く続けること。ズバリわかる! ラクして大きく増やす、ズボラさん向けの投資術です。これからお金を増やしたい人、貯めたい人、必読です。
公開日:2022.06.26