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アボカドブームが環境破壊と暴力を招く!?持続可能な農業を実現するには?【親子で学ぶSDGs】

Text:笹谷秀光

開発途上国の不安定な農業

ビタミンが豊富で食感が独特なアボカドは、1990年代の後半からアメリカで広がり始め、今や世界中で人気者になっています。需要の高まりから価格が上昇し、主な生産地である中南米でも生産量が増えています。

アボカドは乾燥地帯の果物で、栽培には大量の水が必要になります。そのため、降雨量が少ない年でも無理に水を使い、生産地が水不足に見舞われることもあるのです。また、アボカドブームで資金が潤った地域では、アボカドの強奪や、ギャングがアボカド農家を恐喝するといった事件も起こっているといいます。

これはアボカドに限った話ではありません。コーヒー豆やゴムなど先進国の大量消費が、生産地である開発途上国の環境破壊や治安の悪化を招いているケースは山ほどあります。

だからといって、みんながアボカドを食べるのをやめようと考えれば、農家は立ち行かなくなり貧困に陥ってしまいます。まずはひとりひとりが、普段目にする食べ物がどこでどうやって作られているのかを考え、適正な価格で売買することが、問題解決の第一歩となるでしょう。

「持続可能な農業」を実現するには?

今→不安定・不公平な農業

安すぎる賃金…開発途上国では、農業で生活している人の多くが、驚くほど安い賃金で働いています。

環境破壊…農業にたくさん水を使ったり、木を焼いたりすることで、その地域の環境が悪化することも。

治安の悪化…売り値が高い農作物の場合、盗まれたり、農家がギャングにおどされたりする事件が増えることもあります。

これから→安定した公平な農業へ

働きに見合った賃金…農家やそこで働く人が、働きに見合った賃金をもらえる仕組みを作らなければいけません。

環境にやさしい農業…環境に与えるダメージが少ない、新しい農業技術を開発途上国に取り入れます。

働く人を守る…農家や働く人の安全を守る仕組みづくりに、地域がしっかりと取り組むことも大切です。

日本のアボカドの輸入量は、1995年には4726トンでしたが、2020年には約8万トンまで増えています。流通しているアボカドのほとんどは外国産です。アボカドの需要が減ったら、今度は農家の収入が減ってしまいます。そうなると環境破壊や暴力だけではなく、フェアトレードの問題とも繋がってきます。

「親子で学ぶSDGs」はこんな方にオススメ!

・日本や世界で起こっていることに興味がある
・SDGs達成に向けた実際の取り組みが知りたい!
・自分自身が未来のためにできることはなにがあるのか?
・持続可能な農業を実現するには?

そう感じている方にはぜひ本書『親子で学ぶSDGs』を手に取っていただけたらと思います。

出典:『親子で学ぶSDGs』著/笹谷秀光

【書誌情報】
『親子で学ぶSDGs』
笹谷 秀光 著

今、大注目の大切な話「SDGs」について、わかりやすいテキストとイラストで解説しながら各項目を【3つのキーワード】にまとめました。「エスディージーズってなに?」という基本から、日本と世界の「ヤバイ問題・スゴイ取り組み」まで一気にわかります。

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