二酸化炭素が全球凍結のカギを握っていた
いまから22億2000万年前、そして7億年前と6億5000万年前、地球全体が厚さ1000メートルの氷に覆われるという厳しい氷河期があったという説が、有力になっています。
これが、「スノーボールアース仮説」です。地球凍結のきっかけとして挙げられるのが、大気中の二酸化炭素の減少です。
超大陸が分裂すると新しい海が生まれ、海は陸地を浸食してますます海洋部分を増やします。その海の水分が雨を生み、二酸化炭素を吸収します。
二酸化炭素が溶けた酸性の雨によって岩石中のカルシウムなどが溶け出し、やがて炭酸カルシウムとなって海に堆積(たいせき)します。
こうして、大気中の二酸化炭素が減少していったのですが、地球を温める温室効果ガスでもある二酸化炭素が急速に減少したことで、急激な寒冷化をもたらしたと考えられているのです。
氷床が極エリアから広がりはじめると、氷の白い色は海の暗い色に比べて、より多くの太陽エネルギーを反射してしまいます。
こうして気温が下がり、地球全体が凍りついてしまう「暴走冷却」につながったというわけです。
では、凍結した地球はどのようにしてふたたび温まったのでしょうか?
表面が完全に凍りついた地球でも、内部には決して冷えない液状金属の核があります。この地熱が海をじわじわと温め、氷の成長を押しとどめました。
また、火山が氷のなかから頭を突き出して活動を続けて微生物の命を守り、ふたたび地球を温めるための二酸化炭素を吐き出し続けたと考えられているのです。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、右側に文章、左側に図解が乗っているので、本が苦手な人にも理解しやすい構造になっています。
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気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
最新の宇宙の姿についてくわしく知ろう
★地球は宇宙のどこにあるの?
★地球全体が氷に覆われていたってホント?
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ほかにも「最新宇宙トピックス」など最新の情報をご紹介!
いかがでしたか?本書『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』を手にとって、お読みいただくことで、最新の宇宙の姿について知ってもらうだけでなく、日進月歩の天文学の面白さと、その魅力について知っていただければ、そしてまだまだ謎に満ちた宇宙に親しんでいただければ幸いです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.09