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革命の英雄・ナポレオンの激動の人生とは?【世界史】

Text:鈴木 旭

革命が恐怖政治に変わった時、『英雄』誕生

ロベスピエールに代表される過激派ジャコバン党が独裁権を確立し、「反革命容疑者の粛清」と称する恐怖政治を始めると政権内部に「政敵」を求めるようになる。エベール、ダントンらを粛清するとロベスピエール自身も市民の反感を買って逮捕され、処刑される。

以後、フランス革命は立法府と行政府を樹立するものの、何も決められない。まるで舵取りを失った船であった。そのとき、颯爽と登場するのが、砲兵隊出身の若き将校ナポレオン・ボナパルトであった。革命軍の士官として総裁政府に採用されると連戦連勝、破竹の進撃を続ける。一七九六年、イタリア派遣軍司令官として参戦し、数に勝るオーストリア=サルディニア同盟軍を撃破。九八年にはイギリスとインドの連絡線を絶つ目的でエジプトに遠征するが、イギリスの対仏大同盟の結成を見るや、直ちに退却。帰国してブリュメール十八日、総裁政府を倒して、統領政府(三人制統領及び立法院)を樹立する。

ナポレオンの素早い決断と実行に対して、気の短いフランス国民は絶大な信頼を寄せた。そして、オーストリア、ローマ教皇と和解し、生活秩序を定める『ナポレオン法典』を制定したところで、ホッと一息を入れた。その空気を読んで、ナポレオンは皇帝に就任する。

外に出てはネルソン提督率いるイギリス海軍に敗れるが、アウステルリッツの三帝会戦ではオーストリア=ロシア連合軍を破り、さらに西南ドイツ諸国を合わせてライン同盟を結成したので神聖ローマ帝国は消滅した。また、プロイセン=ドイツを破って広大な領土と賠償金を獲得する。ナポレオンの栄光は頂点に達する。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。

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