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水素・燃料電池で月へ移住できる未来になる?トヨタやホンダが中心に進めている水素・燃料電池戦略とは!?【図解 化学の話】

Text:野村 義宏 澄田 夢久

水素・燃料電池戦略でCO2排出削減を目指す

トヨタやホンダが中心に進めている水素・燃料電池戦略の考え方は、CO2排出削減を目指したものです。無限の資源である水を分解して生成する水素を燃料とした自動車の開発のためには、地球環境を考慮した再エネ(再生可能エネルギー)を使っての水素製造、貯蔵、供給の整備が最重要課題となります。水素社会実現のためのインフラ整備には、国家プロジェクト規模の資金が必要になるのは論を待ちませんね。ところで、夢が広がるのは、月への移住計画です。月で生活するうえでもっとも重要なのが水。月面地中に水が存在するのであれば、月への移住が可能になります。

水があれば、電気分解することで酸素と水素を生成でき、水素を使った燃料電池がつくれる。燃料電池で使われた水素は、酸素と反応して水ができる。電気分解に太陽光発電を利用すれば、地球上に比べて効率がよくなるは自明のことですね。メリカ主導の「アルテミス計画」は、2030年ごろには月面基地を建設する計画を進めています。 日本も参加し、鹿島建設と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は重機の自動運転で土木作業を行う実験に取り組んでいるそうです。地球から運んだ部品で重機を組み立て、地球からの遠隔で動かすのは困難なので、人工知能(AI)を重機に組み込んで基地を建設する試みなのでしょう。AIなら「居住施設をつくれ」と大雑把な命令でも可能になるのかも。月に水が存在したなら、人類の生活圏が月に拡大する時代が本当に実現するのか、期待したいものです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』野村 義宏・澄田 夢久

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』
野村 義宏 監修・著/澄田 夢久 著

宇宙や地球に存在するあらゆる物質について知る学問が「化学」。人はその歴史の始めから、化学と出合うことで多くのことを学び、生活や技術を進歩・進化させてきました。ゆえに、身近な日常生活はもとより最新技術にかかわる不思議なことや疑問はすべて化学で解明できるのです。化学的な発見・発明の歴史から、生活日用品、衣食住、医学の進化までやさしく解明する1冊!

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