体内の物質の分解、合成、解毒、貯蔵など
アルコールや薬の分解・解毒も行なう
肝臓(かんぞう)は、人体のなかで最大の臓器で、重さは1~1.5キロ、長さは左右約25センチ、上下約15センチで、厚さは7センチほどにもなります。栄養素の変換や有害物質の分解など、さまざまな化学反応を行なう「肝細胞」からできています。肝臓には1分間に約1~1.8リットルの血液が流れ込み、肝細胞は、消化器が吸収した栄養分を体に適した成分に分解・合成したり、栄養分の貯蔵のほか、アルコールや薬など有害物質の解毒(げどく)、老廃物を捨てる胆汁(たんじゅう)を1日に約1リットルも生産したりしています。1つの臓器で複数の仕事をこなしている生体内の化学工場ともいえる存在です。
ほかの臓器と違うのは再生能力が高い点
なかでも最も大切な役目は、栄養分の化学処理を行なうことです。食事から摂った栄養素はそのまま体内で使えるわけではなく、腸内で単糖類に分解したあと、肝臓に送られます。肝臓ではこれをブドウ糖というエネルギーにつくりかえ、血液中に放出して、全身に供給しています。また、肝臓には、余分なブドウ糖をグリコーゲン(単糖類の集合体)に変えて、肝臓に蓄える貯蔵庫としてのはたらきもあります。グリコーゲンは必要に応じてブドウ糖に戻され、全身の細胞に届けられます。また、肝臓は、きわめて高い再生能力を持ちます。手術で肝臓の4分の3を切除しても、残りの肝臓が健康であれば、1カ月もしないうちに元の大きさに戻るといわれ、再生する機能を持つ唯一の臓器です。
大量の血液が出入りする肝臓
肝静脈
下大静脈と合流し、肝臓を通った血液を心臓へ送る
胆嚢
肝臓がつくった胆汁をためている袋
門脈
胃腸、脾臓、膵臓などの内蔵から血液を集め、肝臓に送る
肝動脈
腹大動脈から分かれて、肝臓へ血液を送る
肝臓の主なはたらき
分解、合成・・・吸収した栄養素を体にあった成分に変える
解毒・・・体内の有害物質を分解
胆汁の排泄・・・体内の老廃物を胆汁のなかに捨てる。胆汁は消化を助ける
貯蔵・・・栄養素をつくり、一時的にためる
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
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公開日:2023.09.29