活性酸素を除去して血管をサビさせない【図解 血管・血液の話】
増えすぎると猛毒にもなる物質
体にとり込まれた酸素のうち数%は、通常よりも活性化した状態になります。これが、いわゆる「活性酸素」です。「体をサビさせる」ことで知られていますが、本来は細菌やウイルスなどの外敵から体を守り、免疫機能を助ける役割があります。ただし、増えすぎると活性酸素は危険な存在に。細胞膜を壊して細胞内へ侵入し、がんなどの深刻な病を引き起こしたり、皮膚や髪など体のあらゆる組織を酸化させて老化を進行させたりします。血管・血液にも悪影響を及ぼします。ストレスによって血液の中の白血球はベタベタな状態に変性しますが、その白血球を活性酸素は攻撃します。すると白血球は茶色く粘ついた状態になり、血管の壁に付着して老化を促進します。
また、血液中の中性脂肪やコレステロールを酸化させ、「過酸化脂質」を発生させることも問題です。この過酸化脂質は、動脈硬化の発端となる物質。傷ついた血管の壁にこびりつき、内壁を厚くして動脈硬化を引き起こします。
いずれにしても、活性酸素は必要以上に増やさないこと。とはいえ、増やす要因は身近にたくさんあります。例えば、紫外線や大気汚染、喫煙、ストレス、食品添加物などなど。すべて避けるのは難しいので、「抗酸化物質」を摂取しましょう。抗酸化物質は食品に含まれる成分で、活性酸素の除去を助けてくれます。
体の活性酸素をお掃除してくれる抗酸化物質
抗酸化物質を含む食品は体内の活性酸素をお掃除してくれます。天然の抗酸化物質と呼ばれるポリフェノール類や、抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA・C・Eを含む食品を食べることを毎日の習慣にしましょう。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
著者:栗原 毅 栗原丈徳
著者プロフィール
栗原 毅:1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。
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日々の乱れた食生活や運動不足、肥満などをはじめ、さまざまな原因でドロドロになってしまう血液。「なんとなくダルい」「寝ても疲れが取れない」「むくみや冷えにずっと悩んでいる」などを感じている人は、血液の状態が悪くなっている可能性も。そのままの状態にしておくと動脈硬化になり脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めたり、血流が悪くなることで認知症などにも影響を及ぼすと言われています。人生100年時代と言われる昨今、大病せずに健康寿命を全うするためには、血液をサラサラに保っておくことが中高年以降は必須です。本書では肝臓専門医で『血液』の専門家でもある著者による、血管と強くして血液をサラサラに保つ簡単な方法をこれだけやっておけば大丈夫、という厳選したメソッドで紹介します。『血液をきれいにする歯磨き』『酢トマトを食べる』など誰でも簡単にできて効果絶大なものばかり。血圧、中性脂肪などが高い方をはじめ、いつまでも病気知らずで若々しくいたい方など、あらゆる人に読んでいただきたい一冊です。
公開日:2024.09.20