幸福の感じ方には遺伝子が関係している?
幸福感に関わる遺伝子が判明
皆さんが幸せを感じるのはどんなときでしょうか? 美味しいものを食べたとき? とても楽しい体験をしたとき? それとも日常の何気ないひとときにも幸せを感じたりしますか?答えは人それぞれでしょう。たとえば同じ体験をしても、幸せを感じる人とそうではない人がいると思います。この個人差は、どこから生まれてくるのでしょうか?
じつは幸福感というのは、脳内でマリファナに似た物質をあるタンパク質が受け取るときに発生します。そしてそのタンパク質をつくるのに、CNR1という遺伝子が関わっていることがわかっています。愛知医科大学などの研究グループによれば、大学生と大学院生を対象に幸福度の調査をしたところ、CNR1遺伝子との相関が見られたそうです。このCNR1遺伝子の塩基がCCかCTだと幸福を感じやすく、TTだと幸福を感じにくいという結果でした。限られた年齢層での研究ではありますが、遺伝子が幸福感に影響しているのは確かなようです。
なお、幸福感は遺伝だけではなく、自分自身の行動や活動による影響も大きいと、心理学者ソニア・リュボミアスキーは語っています。たとえ遺伝的に幸せを感じにくかったとしても、楽しいことや心躍ることに積極的に取り組めば、幸せに溢れた人生になると思いたいところです。
幸福の感じ方への遺伝の影響
人は、脳内でマリファナに似た物質(内因性カンナビノイド)を受容体のタンパク質が受け取るときに幸福を感じます。このタンパク質をつくるのに関わっているのが、CNR1という遺伝子。つまり遺伝が幸福感に影響していることになります。
遺伝による幸福の感じ方の違い
愛知医科大学などの研究により、幸福の感じ方にCNR1遺伝子が関わっている可能性が指摘されています。ただし幸福感は、他にもたくさんの遺伝子が影響している「非相加的遺伝効果」であるため、「幸福の遺伝子」を特定することはできません。
幸福の感じ方に遺伝はどれくらい影響する?
幸福感には遺伝が影響していますが、自身の行動や活動も重要であると心理学者ソニア・リュボミアスキーは唱えています。一方、収入や地位などについては、周囲がうらやむほどには本人の幸福感にあまり関係していないそうです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』著:安藤 寿康
【書誌情報】
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監修:安藤寿康
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公開日:2024.11.16