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苦難の母子、イシスとホルス【眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々】

Text:鈴木悠介

苦難の母子、イシスとホルス

偉大な女神である母の助けを借り覇権を勝ち取った息子

オシリスの妻イシスは、理想の妻であり母であるとされています。弟の策略でナイル川に流された夫オシリスの棺を取り戻すために、流れついた先で乳母として数年間働いたこともありました。

不義の子として生まれてすぐに捨てられたアヌビスを、拾って育てたのもイシスです。このため豊穣の女神であるとともに、慈愛と母性の象徴でもありました。

そんなイシスが、バラバラになった夫オシリスを再生させ、その間に生まれた息子がホルスです。

遺体の再生時、男性器だけはナイル川の魚に食べられてしまったため、イシスが魔力を使って夫との間に息子を授かったという言い伝えも残ります。

イシスは、夫や自分、そして息子を憎むセトから隠れながら、ホルスを立派に育てます。青年になったホルスは、セトが父から奪った地上の王の座を奪還すべく戦いを挑みました。

神同士の戦いは熾烈を極め、一進一退の攻防が続きます。ここでもイシスは、策略や魔術を駆使して息子の加勢をしたといいます。

最終的に神々が相談。さらにオシリスが冥界から現れてホルスを推したことにより、ホルスがエジプトを治めることとなりました。

※ナイル川:ギリシャの歴史家、ヘロドトスは「エジプトはナイルのたまもの」と言った。豊かな水をたたえ、年に数か月の洪水によって豊かな土壌をもたらすナイル川によって、砂漠の地エジプトに高度な文明が築かれた。

オシリスの家族~理想の妻と息子~

イシス

人の姿で表され、良妻賢母の典型とされた。頭に玉座を乗せ、パピルスの杖を手に持つ。
「死者の審判」では、夫オシリス神の背後に、オシリス神の妹とともに立ち見守る。

ホルス


ハヤブサの頭をしている。ハヤブサそのものの姿で描かれることもある。右目は太陽、左目は月を指すと考えられた。
「死者の審判」では、心臓の計量を終えた死者を父オシリス神のもとへ導く。

『死者の書』と死後の世界

人間は死後、死者の審判を受けて生前の行動について裁かれると古代エジプト人は考えた。これを記したのが『死者の書』で、ミイラとともに埋葬された。裁判は裁判官を執行する42 の神と、裁判長である冥界の王オシリスが行なう。死者の心臓は、冥界の神アヌビスが見守る秤にかけられ、傾いたら(罪人であったら)死者は二度とよみがえることはできない。潔白であれば理想の楽園へ立ち入ることが許される。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
監修:鈴木悠介 日本文芸社刊


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