人類最古の天体観測は5000年前!? 暦の起源は“農業”だった【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

農業のために最初の暦はつくられた

そもそも、なぜ人は天体を観測しはじめたのでしょうか? その答えは、農業に関係していると考えられています。

起源となるのは、チグリス川とユーフラテス川にはさまれた、現在のイラクにあたる地域です。遠い昔そこに栄えたメソポタミア文明では、土地が豊かだったこともあり、シュメール人によって早くから農業が行われていました。

そうして農業が本格化していくと、1年のなかで種まきや収穫の時期を正確に把握する必要が出てきました。そこでシュメール人は、紀元前3000年に、1カ月周期で満ち欠けする月を肉眼で観測して人類初となる暦をつくりました。農業という生活の軸を支えるために、天体観測が行われたわけです。

それから時を経て、古代ギリシャでは、哲学者たちがなおも肉眼で空を見つめて天体を研究しました。天体の規則性や実態を解き明かそうという、学問的な要素が強まっていきます

たとえば、ピタゴラスの定理で有名なピタゴラスは、宵の明星と明けの明星を観測し、どちらも同じ金星であると考えました。そして金星に、ギリシャ神話に登場する愛と美の女神「アフロディーテ」の名をつけました。そのローマ名であるヴィーナスは、現在も金星の英語表記として使用されています。

収穫や種まきのために暦がつくられた

農業がいち早く発展したメソポタミア文明の人々は、月の満ち欠けを観測し、人類で初め
て暦をつくり上げた。

地球が球体だと考えたのもピタゴラスだった

地球は平らだと考えられていた古代に、ピタゴラスは地球が丸いという説を唱えた。沖から陸を見たとき、ある程度の高さがある場所しか見えなかったことから考えついたといわれている。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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