「楽しむ」が最強の仕事術!ポリヴェーガル理論でストレスフリーに働く【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

仕事をのびのびと楽しむ「ポリヴェーガル仕事術」

大事な会議やプレゼンテーションなどを前にしたとき、もっとも大切なことはなんだと思いますか?
事前に準備しておくことも大切ですが、それ以上に大切なのは「今この時間を楽しむ」こと。具体的にいうと、腹側迷走神経と交感神経がほどよく働き、よい雰囲気をつくるということです。

不安から念入りに資料づくりやシミュレーションにいそしむのも悪くありませんが、本番前に迷走神経に働きかけるワークを行うのもよいでしょう。ガムをかむふりや手のひらに「人」の字を書いて飲みこむなど、口やのどを使うワークも有効です。不安や緊張に駆られたら、ぜひ試してみてください。

ほどよい距離感のある話題で協働調整を促す

いざ本番を迎えたら、「どうすれば場にいる人たちが協働調整(68ページ)にのってくれるだろう」という視点を大切に。会話のキャッチボールという言葉がありますが、これも協働調整を促すもののひとつです。一方的に話すのではなく、相手とやりとりすることを意識するとよいでしょう。

だからといって、「第三者委員会が設置されましたね」「あのタレントが結婚しましたね」などと、その場に無関係な話をもち出すのは避けたいところです。

「先日いただいた資料、とてもわかりやすかったです」「週末から出張されるのですね。準備でお忙しいでしょう」といった、その場に遠すぎず近すぎず、ほどよい距離感のある話題をもちかけるとよいでしょう。

初対面の相手と話すときも、基本は同じです。相手が自分の会社に訪ねてきた場合、いきなり本題に入らず、「弊社の場所はすぐにわかりましたか?」「どちらの駅から来られました?」などの話題から始めると、協働調整が起こりやすくなり、場の雰囲気がやわらぐはずです。集まった人たちの緊張をほぐすため、誰もが答えやすい話題や質問を用意しておくのもおすすめです。

立ったり歩いたりして身体と自律神経のかたよりを防ぐ

デスクワークが多い人は、何時間も座り続けていると社会交流システムによるつながりが希薄になり、腹側迷走神経の活動が低下してしまうので要注意。ときどき立ったり歩いたりして、座りっぱなしにならないよう心がけてください。環境が許すなら、スタンディングデスクを用意して、立った状態で仕事をするのもよいでしょう。

また、パソコンや資料に黙々と向かい合っていると、顔がこわばってしまいがちです。この状態も腹側迷走神経が稼働しにくい原因となるので、表情筋を動かすよう心がけましょう。目を大きく見開く、口とそのまわりの筋肉を動かす、マスクの下で変顔をするなど、できる範囲でかまいません。

メールで相手とつながっている感覚を得る

メールを送る・受け取るときは、相手とつながっている感覚を大切にしましょう。メールを受け取ったとき、嬉しいひと言が添えられていて、思わず笑顔になったことはありませんか?それこそが、相手とつながっている感覚なのです。

自分からメールを送るさいも、温かみのある言葉や文章を心がけるとよいでしょ。事務的な文章だけにとどめるのも悪いことではありませんが、少しつながりを意識するだけで、穏やかな気持ちになることができます。

最近は、グループチャットなどでビジネスのやりとりをする方も多いでしょう。用件だけで簡単にすばやくやりとりできるのが魅力ですが、何か対応してもらったときはお礼を伝えるなど、ほんの少しの気配りが業務をスムーズにしてくれることもあります。

ランチタイムや休憩時間のすごし方にも、自律神経を整えるポイントがあります。決まった相手やグループですごすのが当たり前になっている人もいるかもしれませんが、ときにはひとりで息抜きしたいこともありますよね。誰かとつながって楽しくすごすか、ひとりでリラックスしたいのか。たまには心身の声を聴いて選ぶのもよいかもしれません

【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子

【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子


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3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!

「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。

ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。

本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。

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