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ひと目ぼれは、 どうして起こるの?【脳の話】

Text:茂木健一郎

感情が理論の先回りをするから

出会った瞬間、ビビッときて好きになってしまうのがひと目ぼれです。このひと目ぼれ、本人の意思とは関係なく起こってしまうことから、そこに脳の存在を感じずにはいられません。

この問題に関しては、これまでさまざまな実験が行なわれていますが、まだはっきりとした結論は出ていません。ただ、関連する研究があります。

それによれば、人間は最初の約2秒で、対象について判断を下しているようだ、というのです。

ある大学の授業を1学期間受けた学生と、その授業の動画を2秒間見た学生に、その授業の面白さを評価させるという実験を行なった結果、両者の評価はほぼ一致しました。

つまり人間は、非常に短い時間のうちに、さまざまな情報を受け止める能力をもっているようです。ひと目ぼれも、相手の外見、雰囲気といった情報を一瞬で受け止め、判断した結果でしょう。

これはまだ仮説の段階ですが、脳の構造とも一致します。

一般的に人間の脳では、論理を司る回路より、感情を司る回路のほうが情報処理の速度が速いといわれています。そのため、感情の情報が、論理を先回りしてしまうことがあるのです。

ひと目ぼれは、相手の情報がインプットされ、大脳新皮質が論理的に詳しく解析するよりも前に、感情の回路が「この人大好き!」という結論を出してしまった状態です。

人を好きになることは、直感によるところが大きいといえるでしょう。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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