座りっぱなしのあなたへ!椅子から立たずにできる『心のリセット術』【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

毎日のルーティンにしたい「安心習慣」

会社や学校に通う平日と自由に使える休日、それぞれの1日の流れに沿って、シチュエーションごとにおすすめのワークを紹介。

毎日のルーティンに、まずはどれかひとつ、気になるワークを取り入れてみてください。

コツコツ続けているうちに、「今日はいつもより落ち着いているな」「今日はイライラすることが少ないな」と感じられるようになるはずです。

誰でも簡単にできるワークを「安心習慣」にすることで、不安やイライラを軽減し、「不安になっても大丈夫」なあなたを手に入れましょう。


安心習慣をつくる簡単ワーク【平日・休日それぞれの1日】

デスクワークの合間に

長時間座りっぱなしでいると、交感神経や背側迷走神経が優位になり、不安やイライラから、凍りつき・不動モードへの移行の原因となることもあります。そうなるまえに、スタンディングデスクで作業する、少し歩いてみるなどして、心身のこわばりを軽減させたいものです。

それが難しい場合は、体幹や首を左右に傾けるストレッチを行って、腹側迷走神経(穏やかなブレーキ)に働きかけるのもよいでしょう。完全には解明されていませんが、貧乏ゆすりをすると2つの迷走神経が刺激され、よい効果をもたらすという説もあります。

デスクワークでこり固まった筋肉をほぐしながら、自律神経への負荷を軽減できるワークは、毎日頑張るあなたの味方になってくれます。気づいたときにワークをやってみるというのを繰り返すうち、効果を実感できるでしょう。

<Q>
事務職なので、職場ではほとんど机に向かって作業をしています。身体を動かしているわけでもないのに、ひどく疲れてしまうことがあって、集中できなくなり効率が落ちてしまうのが悩みです。
昼休み以外はあまり自由にできる時間もなく、トイレに立つくらい。そんな私でも簡単にできるワークはありますか?

<A>
ずっと同じ体勢で仕事をしていると、自律神経には大きな負荷がかかってしまいます。そのうえ、パソコンの画面を見続けているのですから、疲れてしまうのは当たり前。身体を左右に傾ける、首を左右に倒す、あくびをするなどのワークで、ときどき腹側迷走神経を刺激してあげるとよいですよ。

WORK1:貧乏ゆすり

足を小刻みにゆする「貧乏ゆすり」は、一般的にマナーが悪いとされています。しかし、この動作と2つの迷走神経の関係について、いくつかの興味深い仮説があります。迷走神経は筋肉の動きを感知し脳に伝え、その指令にもとづいて心拍数や呼吸数を調整する働きをもっています。

そのため、貧乏ゆすりをして足の筋肉を動かすと、迷走神経が活性化されるといいます。ひとりでいるときに試してみるのもよいでしょう。

WORK2:座って体重移動

椅子に座った状態で、身体の中心を傾けるように、お尻の片側に5~10秒ほど体を傾けます。反対側も行います。首の付け根の左右あたりにある圧受容器への刺激に加えて、体幹を傾けると呼吸が深くなり横隔膜が大きく動くので、2つの迷走神経も刺激できます。

また、迷走神経は身体のバランスを保とうと各器官に指令を送るため、内臓の位置が変化します。その刺激が脳に伝わり、内臓の働きも調整されます。

WORK3:首のストレッチ

社会交流システムに働きかけるワークです。椅子にまっすぐ座り、肩の力を抜いて、右手を頭頂部よりも左に置きます。そのまま頭を軽く右に傾け、首の左側の筋肉を伸ばしながら、頭を軽く右に20秒ほどキープします。無理に引っ張りすぎたり、痛みを感じるまで傾けないように注意してください。

反対側も同じように行い、この動作を左右2~3回ずつ繰り返します。頭を倒した状態であくびをしたり、少し天井を見てもよいでしょう。

【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子

【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子


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3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!

「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。

ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。

本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。

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