道東にある「人口の約8倍の牛」がいる町とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】

道東には「人口の約8倍」の牛がいる町がある

酪農・漁業と野付半島の大自然

北海道の東の端に位置する、オホーツク海に面した別海町。この町の人口は約1万4000人ですが、その8倍近くの約11万頭の牛が町内で飼育されています。特に乳用牛が多く、別海町は生乳日本一を誇る町としても有名です。

明治時代の開拓期以降、別海町では主に畑作農業が行われていましたが、昭和4~7年(1929~1932)に起こった冷害による凶作をきっかけに、畜産農業への転換を行いました。

その後、昭和30年代(1955~)に根釧パイロットファーム事業(世界銀行の支援を受けた、根室・釧路地方の酪農振興事業)の高度酪農集約地域に指定され、さらに昭和48年(1973)から新酪農村建設事業がスタートしたことで、機械や施設の大型化が進み、別海町は日本一の酪農王国となりました。

別海町は酪農のほか、「打瀬網漁」と呼ばれる伝統的な漁法で獲る北海シマエビや、野付産のジャンボホタテなどの漁業でも有名です。

また、全長26kmを誇る日本最大の砂嘴(沿岸流によって運ばれた砂や小石が、岬や半島の先端から海に細長く突き出た地形)である野付半島は花の名所にして、希少な鳥や動物が集う野生動物の楽園としても知られており、平成17年(2005)には野付湾、風蓮湖とともにラムサール条約登録湿地に認定されました。

北海道東端部に位置する「別海町」の魅力

北海道旅行の拠点としても便利

牧草の生育に適した冷涼な気候、大規模な酪農に適した広大な土地、豊富な水資源(摩周湖の伏流水)という酪農に適した3つの要素が、別海町の酪農の発展を支えてきました。なお、別海町は世界遺産の知床と野鳥の楽園として知られる根室の中間に位置するため、北海道旅行の拠点としても人気です。

食通に知られる海産物

別海町はエビやホタテのほか、サケでも有名です。西別川河口で獲れるサケは、江戸時代に11代将軍徳川家斉に献上されました。

おいしい牛乳と乳製品

別海町は酪農が盛んなことから、チーズやヨーグルト、バターやソフトクリームといったさまざまな乳製品が開発・販売されています。

自然あふれる野付半島

手つかずの自然が残る野付半島は、野生動物が生息する自然豊かな地域として知られ、エゾシカやキタキツネ、オコジョ、イイズナ、オオワシ、タンチョウなど珍しい動物に会うことができます。

豊かな自然が残る野付半島(提供:別海町観光協会)。
豊かな自然が残る野付半島(提供:別海町観光協会)。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』
監修:和田 哲


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