【文章の落とし穴】読点の位置を間違えると意味が逆転? 正しい区切り方の基本【デキる大人の文章力教室】

句点と読点を使いこなす -【「、」を使って意味のまとまりを明確にする】

<文章カアップのポイント>
・どの言葉がどの言葉を説明しているのかが明確になるように「、」を使う。
・語順の入れ替えや漢字とひらがなの使い分けで工夫する。

何をするのが「来週」なのかがわかるようにする

 読点「、」は、句点「。」よりも小さな意味のまとまりを区切ったり、文中の修飾関係を明確にしたりするために使います。

 OK1の位置に「、」を入れると、「、」のあとにある「退職することを上司に伝える」が1つのまとまりになり、来週は「退職することを上司に伝える」時期を指していることがわかります。

 他方、OK2の位置に「、」を入れると、「、」のあとにある「来週退職する」が1つのまとまりになります。ただ、退職が来週であることをより明確にするためには、「来週退職することを、私は上司に伝える」のように、語順を入れ替えるとよいでしょう。

 次の文例のように、漢字が連続していて区切る位置がわかりにくい場合も、「、」を使って明確にできます。

 また現代では、「〇〇する為」を「〇〇するため」、「この時」を「このとき」のように、ひらがなで表すほうが一般的です。

「深夜故、人は」と、「深夜、故人は」の2 つの意味に解釈できるので、「、」を使って区切る位置を明確にします。現代では「ゆえ(故)」はひらがなで表すほうが自然です。

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介


「正しい日本語」とは

 そもそも「正しい日本語」とはなんでしょうか? 日本語は常に変化しています。たとえば、平安時代には「竹取の翁といふものありけり」(『竹取物語』)のような文章が一般に通用していましたが、徐々に今のような日本語に変化してきました。

 そう考えると、現代の若者が使っている「マジキモい」や「激おこプンプン丸」なども、数十年後には正式な場で通用する日本語になるのかもしれません。このような常に変化している日本語に対し、「これが正しい」という厳密な規範(ルール)を設定することは難しいでしょう。現時点で「間違った日本語」と呼ばれている表現は、実は単に「世間ではまだ十分に認められていない表現」というだけなのです。ですから、「学術的に正しい日本語」というものは存在しないことになります。

 しかし実生活では、避けなければ支障が出る表現もあります。当書が扱うのは、実生活で使うべき「正しい日本語」です。

当書における「正しい日本語」とは

 本書では、学術的な意味ではなく、実用的な意味で「正しい日本語」という言葉を使います。それは、現時点における日本社会で「相手にきちんと通じる日本語」のことです。

 相手(読み手)に言葉で正確に伝えるためには、発信する側(書き手)と受信する側(読み手)が言葉のルールを共有していなければなりません。「語法」や「文法」と呼ばれるものは、そのルールの典型です。たとえば、外国語を理解できないのは、発信側と受信側が言葉のルールを共有できていないからですが、日本語を母語とする人同士でも、ルールが完全に共有されていなければ、外国語ほどではないにせよ、誤解が生まれます。

 本書の目的は、現在の日本語のルールをより深く構造的に理解し、誤解のないコミュニケーションを実現することです。

文章力アップのコツは「学ぶ順序」

本書では、第1章から第4章まで文章を主に構成要素ごとに分解し、順を追って学べるようにしています。最もシンプルで理解しやすい単位である「単語」から始め、徐々に大きな単位のことを学んでいけば、実践でも自然と「正しい日本語」が使えるようになるはずです。さらに、各章を3〜4つのレッスンに分け、全体で15のレッスンで苦手な部分を集中して学べるようにしています。

こんな方にオススメです!

本書は、以下のような悩みや目標をお持ちの方に最適です。

・「正しい日本語」の基準がわからず、ビジネスや公の場での表現に自信がない方
・相手に意図が正確に伝わらず、コミュニケーションで誤解が生じることがある方
・感覚ではなく、現在の日本語の「ルール」を構造的に深く理解したい方
・文章力を基礎の基礎(単語)から段階的に学び、着実にスキルアップしたい方
・実践ですぐに役立つ「実用的な日本語の知識」を身につけたい方

本書は、単語・語法・文法といった文章の構成要素を、理解しやすい順序で体系的に解説しています。「誤解のないコミュニケーション」を実現したいすべての方の文章力アップをサポートします!

【出典】『デキる大人の文章力教室』著:小林洋介

【書誌情報】
『デキる大人の文章力教室』
著:小林洋介


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