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頭痛や腹痛…何気ない日常のストレスで起こる心身のゆがみとは?【ストレスの話】

Text:ゆうき ゆう

日常のなかで受けた刺激に対する心身のゆがみ

私たちは普段何気なく「ストレス」という言葉を口にしますが、そもそもストレスとは何なのでしょうか。ストレスは本来、「圧力による物体のゆがみ」を意味する工学用語です。これを人間の心身にも応用し、日常のなかで起こる出来事から受ける刺激=圧力を「ストレッサー」、ストレッサーに対する心や身体の反応=ゆがみを「ストレス反応」、そしてこの一連のメカニズムを「ストレス」と呼んでいるのです。

ストレッサーには主に次のようなものがあります。大切な人との別れや失業、人間関係のトラブルや職場環境の変化など、日常の出来事から受ける刺激を「生活環境ストレッサー」。大きな災害や事故、事件など、自身の生命が脅かされる危機的状況や、家族の死といった極めて衝撃的な体験による刺激を「外傷性ストレッサー」。そして、困難な状況に対応しようとすることで生じる悩みや、「悪いことが起こるかもしれない」という否定的な予測などを「心理的ストレッサー」といいます。

これらストレッサーに出合うと、私たちはまずそれが自ら対処できる出来事かどうかを判断します(認知的評価)。そして、自分の対処能力を超える脅威であると感じたときに、心身のゆがみ=ストレス反応が表れるのです。ストレス反応は不安や緊張、気分の落ち込み、動悸(どうき) 、頭痛、腹痛、怒りの爆発や拒食などのかたちで表れます。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう

「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。

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