流れ星を見つける確率を上げる方法【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

宇宙のチリが大気に飛び込み光を放つ

ふと夜空を見上げると、星々の間を一筋の光がものすごい速さで通りすぎることがあります。ご存じ流星(流れ星)です。その正体は、宇宙空間にただよっていた小さなチリ。

直径1ミリから数センチほどのチリの粒が高速で大気に突入し、圧縮されて高温になった大気や気化したチリの成分が光を放ちます。私たちが目にしている流星はその光なのです。

流星のもととなる物質(流星物質)の多くは、彗星が放出したチリです。太陽のまわりを公転する彗星の軌道と地球の軌道とが交差することで、流星や流星群が発生します。両者の軌道が交差する日時は毎年ほぼ決まっているため、毎年どの時期にどんな流星群が現れるかが予想できるのです。

彗星などが放出したチリは流星群となり、同じ方向から地球の大気に飛び込んできますが、地上から見ると空のある一点を中心に放射状に広がるように出現します(群流星)。個々の流星群の呼称は、この中心点(放射点)がある星座の名前などからとるのが通例となっています。

放射点の高度が高いほど、より多くの流星を見ることができます。高度が低いと流星物質が大気に対して斜めに飛び込んでくることになり、真上から飛び込んできた場合と比較して、観察できる範囲がせばまってしまうからです。

流星を見るときの注意

以下の条件を満たすと流星を見つけやすくなる

1.月明かりがない(月のある方向を正面にしない)
2.人工の明かりが少ない場所
3.空を広く見渡せる場所(高い建物のない郊外など)
4.よく晴れた日・空気の澄んだ日

    放射点の高度が高くなる(頭の真上に近い)時間帯ほど、多くの流星を見つけられる可能性が高い。ニュースなどで流星群のピークを確認するといいだろう。

    群流星の見分け方

    群流星:ペルセウス座流星群やふたご座流星群など、特定の流星群に属する流星のこと

    流星が放射点から流れてきているように見えるのが群流星。放射点に近いところに現われた群流星は経路が短く、遠いところでは経路が長く見える。このことから、放射点に近いのにとても経路が長いなら群流星ではない、などと見分けることができる。

    【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

    【書誌情報】
    『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
    監修:渡部 潤一


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