富士山の空に現れる“サイン”を読み解く、昔から人々が行ってきた「観天望気」とは【眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話】

富士山にかかる雲の形で天気が予測できる

笠雲、つるし雲……天気急変のサイン

 富士山の周りの地域では、雲の形を見ることで天気が予測できるといわれています。これは、昔から人々が行ってきた「観天望気」と呼ばれる方法で、空や雲、風の様子から天気の変化を読み取る知恵です。富士山は周囲に遮る山がなく、単独で高くそびえているため、風や気流の影響を強く受けます。その結果、雲の変化が特にはっきりと現れるのです。

 代表的なのが、山頂にかかる笠雲です。山の頂を帽子のように覆うこの雲は、湿った空気が富士山にぶつかって上昇し、冷やされることで生まれます。笠雲が見えると、上空の空気が不安定になっている証拠とされ、天気が下り坂に向かうサインと考えられています。雨が降り出したり、風が強まったりする前触れです。

 もうひとつよく知られているのが、つるし雲です。これは富士山の風下側で、山から少し離れた場所に浮かぶように現れる雲です。強い風が山を越えるときに発生し、一見動きが見えなくても、上空では激しい気流が流れていることを示しています。つるし雲が現れると、天気が急変しやすいと考えられています。

 このほかにも、富士山の周辺では、すじ状にのびる雲や、波のように連なる雲など、さまざまな形の雲が見られます。これらの雲は、上空の風の強さや向き、水蒸気の量を反映しています。

富士山にかかる雲と天気の関係

富士山は単独でそびえ立っているため、風や気流の影響を強く受け、雲の変化がわかりやすいのです。

笠雲

湿った空気が上昇することで発生し、天気が下り坂に向かうサイン

つるし雲

上空で強い風が吹いている証で、天気が急変しやすい

うろこ雲

低気圧や前線が近づいている(=天気が下り坂になる)サイン

雲ができるしくみと気流

湿った空気が富士山にぶつかって上昇し、上空で冷やされることで、特徴的な雲が生まれます。周囲に高い山がなく、風や気流の影響を大きく受けやすいのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話』監修:富士学会

【監修者情報】
富士学会
富士山と、その関連地域を対象として、自然科学から芸術、歴史、宗教の人文科学までを広く網羅し、富士山にちなんだ教育や、噴火を想定した防災など、総合的な領域の研究を進めている。富士山の本質と全体像の探求、関連地域の環境保全、防災、活性化などを目的として、学術大会・討論会・講習会などの開催、会誌・図書などの出版、関連教育・文化活動への協力と支援などをおこなっている。事務局は東京の日本大学文理学部地理学教室に置かれている。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話』
監修:富士学会


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監修/富士学会
富士山と、その関連地域を対象として、自然科学から芸術、歴史、宗教の人文科学までを広く網羅し、富士山にちなんだ教育や、噴火を想定した防災など、総合的な領域の研究を進めている。富士山の本質と全体像の探求、関連地域の環境保全、防災、活性化などを目的として、学術大会・討論会・講習会などの開催、会誌・図書などの出版、関連教育・文化活動への協力と支援などをおこなっている。事務局は東京の日本大学文理学部地理学教室に置かれている。

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