まるで巨大なプラモデル?最新の造船術「ブロック建造法」とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 船の話】

巨大な大型船はどのようにつくっている?

分割してつくる巨大船の造船工程

巨大な船は、ひとつの塊としてつくられるわけではありません。現代の造船では、船体を複数のブロックに分割し、それらを同時進行で製造して、それらを繋ぎ合わせる「ブロック建造法」が主流です。巨大な船体を扱いやすいブロックに分け、最後に組み上げていくという発想が、今日の建造法の基盤になっています。

各ブロックは、外板や内部の骨組みだけでなく、場合によっては配管や各種機器まで組み込まれた状態に仕上げられます。そして完成したブロックはクレーンによって船台もしくはドックへと運ばれ、船底部分から順に、設計図通りの位置へ配置されていくのです。

その際、ブロック同士は高精度で溶接され、寸法の誤差はわずか数mm以内に抑えられます。外板がつながり、1隻の船が徐々に姿を現す過程は、造船所ならではの迫力ある光景です。

この方式の利点は、複数の工程を並行して進められるため、工期を大幅に短縮できることにあります。さらに、異なる工場内でもブロックを製造でき、品質を安定させやすいというのもポイントでしょう。

こうして船体が完成して進水すると、艤装(ぎそう)工程へ移り、すべての配管・機器・電気設備などが取りつけられ、船は実際に海で働くための機能を備えていきます。

ブロック建造法の基本プロセス

ブロック建造法では、船を複数のブロックに分けて製造し、それらを船台やドックで最後につなぎ合わせて1隻の船をつくり上げます。

分割作業によって高まる精度と生産効率

ブロック建造法は、作業を同時進行することで工期を短縮でき、同一工場内で製造し細部まで仕上げられるので、品質も安定しやすいのが大きな利点です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』監修:池田良穂

【監修者紹介】
池田良穂 (いけだ よしほ)
1950年北海道生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程船舶工学専攻修了。同大学工学部船舶工学科助手、助教授を経て、同大学大学院海洋システム工学分野教授に就任。退職後、現在は大阪府立大学名誉教授、大阪公立大学客員教授。船舶工学研究活動に従事し、著作活動では船舶工学・海洋工学等に関するテーマで70冊あまり執筆。主な著書に『図解 船の科学』(講談社)、『基礎から学ぶ海運と港湾』(海文堂出版)、『船の最新知識』(SBクリエイティブ)、『船舶算法と復原性』(共著、成山堂書店)、『船のしくみ パーフェクト事典』(ナツメ社)などがある。
2023 年日本船舶海洋工学会「船舶海洋技術賞」受賞。雑誌、新聞等への寄稿も多く、日本における船舶の理解と認知度の向上に貢献したとして、2025年に国土交通大臣から「交通文化賞」を受賞。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』
監修:池田良穂


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