「確認不足は人を惑わす」歎異抄に学ぶ情報を伝える前に考えるべきこと【眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄】

情報の真偽を確認せずに人に伝えてはいけない

みづから他力の信心かくるのみならず、あやまつて他を迷はさんとす。===第十二条

【訳】自分自身に阿弥陀仏の他力本願の信心が欠けているだけではなく、誤って他の人をも迷わせようとしています。

この言葉の前には「学文してこそなんどいひおどさるること、法の魔障なり、仏の怨敵なり」という言葉が書かれています。これは「学問をしてこそ往生できる」などと言って脅すのは、仏の教えをさまたげる魔であり、仏に対する敵と言うしかありませんという意味です。「学問をしてこそ往生できる」とは間違った考え方です。自分が間違った考え方をしてしまうだけでなく、相手にもその間違いを教えてしまうことになります。

最近はSNSではさまざまな情報が発信されています。そこに書かれていることはすべて正しいとは限りません。誤った情報を発信したことにより、相手を傷つけてしまうこともあります。情報を発信するのであれば、「これは正しいのかな」「これを発信したら誰かに迷惑はかからないかな」と考えることが大切です。誤った情報を真偽を確認もせず発信すると、誤った情報があふれてしまうことになります。

自分が正しく理解していないことは、他者に知識や情報として教えてはいけません。知識や情報をよく理解せずに伝えると、相手を誤解させてしまいます。

間違ったことを人に伝えると、相手を誤解させるだけでなく、間違いが拡散してしまいます。

学問をしてこそ往生できる⇒間違った考え方であるので要注意!

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄』監修:山口謠司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄』
監修:山口謠司


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「善人なおもって往生を遂ぐ。いわんや悪人をや」――親鸞の死後に弟子の唯円が師の言葉をまとめた「歎異抄」。
仏教書の中でも、現代に必要とされる「安心」と「他力本願」の奥義がわりやすく、生きる力や癒やしにつながると根強い人気があります。700年以上前に親鸞が説いた、この今を生き抜くための名言には、「生きることはどういうことなのか」「信じた道をつき進めるか」「悪人こそが救われる」などという内容の言葉が書き起こされていますが、それは逆説的な意味合いを込めた、「明日を生きる力がわいてくる珠玉の名言」なのです。
日常生活に大いに役立つ歎異抄の世界。語り継がれる親鸞聖人の言葉は、現代社会に大きな影響を与えているといってもいいでしょう。
本書は歎異抄の世界をひもとき、親鸞聖人の考え方をどのように応用すれば、厳しい現代社会を生き抜くことができるかを、図やイラストをふんだんに使い、わかりやすく解説した一冊です。

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