「ストレス」を感じている人の血液はベタベタタイプ【図解 血管・血液の話】
ベタベタの白血球が血流を妨げる
「ストレス」は血液の状態を大きく左右する要因です。心の問題だと見過ごされがちですが、体に与える影響は甚大。実際、ストレスを受けると白血球の中のリンパ球の割合が減少することがわかっています。自分にストレスがあるかどうかは、血液検査でのリンパ球の数値で一目瞭然です。
また、強いストレスを受けると、アドレナリンという血管を収縮させるホルモンが大量に放出されます。すると、一気に血管が縮んで血流が悪化。同時に血圧が上昇し、心拍数も上昇します。そうなるとポンプの役割をする心臓や血管の壁に負荷がかかり、血管にダメージを与えることになるのです。私はこのときの血液の状態を、「ベタベタタイプ」と呼んでいます。
なぜ「ベタベタタイプ」なのかというと、白血球が糊(のり)のようにベタベタしているからです。ベタベタしているので白血球同士がくっつき、さらに、血管の壁に張りついて血液の流れを妨げてしまいます。また、ベタベタになった白血球が活性酸素にさらされると、さらに質の悪いものに変質し、血管を劣化させることもわかってきました。
ここでつけ加えたいのは、ストレスには精神的なものと肉体的なものがあること。悩みや不安といった心に受けるストレスばかりが注目されますが、それだけでなく過労や寝不足、過度な運動といった体への負担も大きなストレスになります。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
著者:栗原 毅 栗原丈徳
著者プロフィール
栗原 毅:1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。
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日々の乱れた食生活や運動不足、肥満などをはじめ、さまざまな原因でドロドロになってしまう血液。「なんとなくダルい」「寝ても疲れが取れない」「むくみや冷えにずっと悩んでいる」などを感じている人は、血液の状態が悪くなっている可能性も。そのままの状態にしておくと動脈硬化になり脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めたり、血流が悪くなることで認知症などにも影響を及ぼすと言われています。人生100年時代と言われる昨今、大病せずに健康寿命を全うするためには、血液をサラサラに保っておくことが中高年以降は必須です。本書では肝臓専門医で『血液』の専門家でもある著者による、血管と強くして血液をサラサラに保つ簡単な方法をこれだけやっておけば大丈夫、という厳選したメソッドで紹介します。『血液をきれいにする歯磨き』『酢トマトを食べる』など誰でも簡単にできて効果絶大なものばかり。血圧、中性脂肪などが高い方をはじめ、いつまでも病気知らずで若々しくいたい方など、あらゆる人に読んでいただきたい一冊です。
公開日:2024.09.07