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褒めることでモチベーションを上げたい時に、褒め方の大事なポイントとは?【ズルい言い換え事典】

Text:齊藤 勇

結果ではなく努力をほめるのが大事【ズルい言い換え事典】

人間は誰かに注目されることで、高いモチベーションを維持できる

この実験で、人間は誰かに注目されることで、高いモチベーションを維持できる、という結論が得られた。モチベーションの低い人のやる気を高めたいなら、「君しかできないことだから!」「がんばってるねー」と注目度が高いことをこまめに伝えることが効果的なのだ。

もちろん、ほめることでモチベーションを上げる手もある。次に、ワシントン大学の心理学者フランク・スモールが行った実験を紹介しよう。

少年野球の子どもたちを同程度の実力になるよう2つのチームに分け、一方は努力をほめつつ指導し、もう一方はほめずに指導した。すると、前者の方が6%も勝率が高かった。しかも、努力をほめられた子どもたちは「野球が楽しく、コーチが好きで、自分に自信がある」と答えたという。

ポイントは、結果ではなく「努力」をほめること。結果をほめる回数は限られるが、努力は無限にほめることができる。また、あまりがんばっていない人もほめる。ほめられたことで「そこまで言われたらがんばらなきゃ」と、やる気を起こさせる効果も期待できるのだ。

結果ではなく努力をほめるのが大事【ズルい言い換え事典】

【出典】『ズルい言い換え事典』
監修:齊藤 勇  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1943年山梨県生まれ。文学博士。対人心理学者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。立正大学心理学部名誉教授、大阪経済大学客員教授、日本ビジネス心理学会会長、日本あいづち協会理事長。


「お世辞感を出さずにうまくほめて相手の懐にはいりたいとき」「自分の立ち位置を守るべく、肯定も否定もせずにその場をのりきりたいとき」職場や家族、恋人、友人などの人間関係をなるべくストレスなく過ごすために、自分の求めている返答や行動を相手から引き出したい瞬間は多くあります。そのときにひとこと言い換えるだけで、相手を自在にあやつる言葉の言い回しのコツを紹介します。実際に心理学者たちがおこなった心理学実験や、深層心理をもとにその言い換えをすることでもたらす心理効果を解説。人間の思考のメカニズムも学ぶことができます。思い通りに人を動かしたい人だけでなく、人にマイナスイメージをもたれたり、自分のもつキャラクターを傷つけたりすることを恐れる繊細な人が対人回避術として使用することもできる一冊。

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