肌のハリと伸び縮みを担う2つの物質が減るため
全身の皮膚を合わせると、たたみ1畳分に!
「皮膚」はヒトの体のなかで最大の組織で、成人の全身の皮膚を広げるとたたみ1畳分(1.6~1.8 平方メートル)になるといわれています。皮膚は 表皮(ひょうひ)、真皮(しんぴ)の2層からなっていて、これらを合わせた厚さは1~4ミリメートル。その下にやわらかな皮下組織(ひかそしき)があります。それぞれの層の厚さは体の場所によって異なります。また、皮膚には圧力や温度など外部からの刺激を感知する神経のしくみも備わっています。
皮膚を支えていた編み目が崩れる
皮膚がピンと張っている理由は、皮膚に細い糸のような物質「コラーゲン線維(せんい)」と「弾性(だんせい)線維」があり、この2つが網目(あみめ)状にからみあって皮膚を支えていることにあります。コラーゲン線維は皮膚が伸びすぎないよう張りを保つ役割を、弾性線維は皮膚を伸び縮みさせるゴムのような役割を持つ物質です。しかし、年をとると、コラーゲン線維も弾性線維も減っていきます。シワができるのはこれらの物質のはたらきが弱まった結果、皮膚を支えていた網目が崩れ、伸びた皮膚が元に戻る力を失って、たるみ始めるためです。また、日光に含まれる紫外線も、シワを増やす原因になります。紫外線は皮膚の深いところにある真皮層まで届き、コラーゲン線維を小さく切断して、弾性線維を変質させてしまうのです。加齢によってシワが増えるのは仕方のないことですが、紫外線対策をしっかり行なえば、進行を遅らせることにひと役買ってくれます。
皮膚の構造とはたらき
表皮
外界から体を守る皮膚組織(角質)を休みなくつくっている。
真皮
コラーゲン線維と弾性線維のはたらきにより水分に富む。血管や神経が通っている。
皮下組織
脂肪を多く含み、外界からの衝撃緩和や断熱・保温、エネルギーの貯蔵などの役割を担っている。
皮膚には、2層の構造のほか、汗腺、脂腺、毛といった皮膚機能を補う特殊な器官も備えている。
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!
気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
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公開日:2023.09.07