ヒトの大人の骨の数には個人差がある
ヒトの大人の体には、およそ200個の骨があります。ところが、子どもは大人よりも骨の数が多く、生まれたばかりの赤ちゃんは軟骨(なんこつ)を含めると300個ほどの骨があります。
大人になると骨の数が減る理由は、身体が大きくなるにしたがって、骨と骨の隙間がつながったり、いくつかの骨が1つになるため。骨のくっつきかたは人によって異なり、大人になったときの骨の数は 206個が標準で個人差があります。
ヒトの体を支え、大事な部分を守るのが役目
200 個もの骨は複雑に組み合わさり、つながることで骨格(こっかく)を形成しています。骨格はさまざまな大きさや形の骨からできていて、軟骨も骨格の一部をつくります。
ヒトの体のなかでいちばん大きくて強い骨は、太腿(ふともも)の部分にある大腿骨(だいたいこつ)です。反対に、いちばん小さな骨は、耳のなかに3つある耳小骨(じしょうこつ)と呼ばれる骨で、音を聞くため複雑な形をしています。
骨には最も大きな役割が2つあります。1つめは、人間の体を支えること。骨がなければ立つこともできませんし、骨をつなげる関節がなければ、体を曲げたり、伸ばしたり、動くこともまったくできません。
もう1つの役目は、ヒトの体の大事な部分を守ることです。かたくて頑丈なつくりの頭蓋骨(とうがいこつ)は脳をしっかり守り、肋骨(ろっこつ)は鳥かごのような構造で心臓や肺などの臓器をすっぽり包んでいます。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953 年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。
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公開日:2021.12.01