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子どもが抱えやすい心の問題!発達障害児を支援するために持つべき考え方とは?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

優先すべきは子どもたちの心

発達障害(神経発達症群/神経発達障害群)とは、先天的な脳機能の問題によって社会生活に困難が生じる疾患のことです。かつては「本人の努力が足りない」「家庭環境のせい」「親の躾が悪い」などと言われていましたが、現在は医学的に否定されています。発達障害は先天性のものであり、いわば生まれつきの特性なのです。

それゆえに、発達障害に気づかないまま、あるいは勘違いしたまま子どもに厳しい躾をしたり、過剰な努力を求めたりすれば、改善するどころか症状が悪化し、二次障害)を招く恐れもあります。

発達障害が現れる原因は、いまだ解明されていない部分が多く、残念ながら現代では根本的に治す方法は見つかっていません。しかし、定型発達の子どもに比べるとペースはゆっくりですが、発達障害の子どもの心も発達を続けます。症状の改善ばかりに目を向けがちですが、優先すべきは彼らの心です。

このため、治療は「療育などによる支援」が中心となります。特性に合わせて適切な環境を整えれば、彼らが自らの意思で選択・行動し、あらゆる物事に前向きに取り組みやすくなります。そうして充実した生活を過ごしていくことによって、結果として症状の改善も期待できるようになるのです。

発達障害は特別に強い個性【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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